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閲覧数順 2024年04月23日更新

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「転職が失敗」と言う人に共通して思うこと

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 お勧めの取り組み

 多くの企業で人手不足が顕著になり、求人数は高い水準が続いています。日本の人材流動性はまだまだ低いと言われますが、転職を考える人は増えていますし、実際に転職する人も多いと感じます。

 会社側では、採用難で人が採れないだけでなく、せっかく入社までこぎつけてもすぐ辞めてしまう早期退職の問題などもあり、人材確保の悩みは大きいものの、良い解決策は見出せずにいます。

 その一方、転職した人がみんなハッピーかというと、必ずしもそうとは言えません。「転職したが思い通りではなかった」「転職が失敗だった」という人は、相変わらず見かけることがあります。

 

 今のような雇用環境であれば、仮にうまくいかなかったとしても、より良い会社を探してまた転職できるでしょうが、転職回数を重ねることにはデメリットもありますし、転職を繰り返していることが、意味がある努力になっているのかという問題もあります。

 

 私も人事コンサルタントという仕事柄で、転職に関する相談を受けることがあります。

 だいたいは「今の会社に将来性がない」「やりたい仕事でない」「雰囲気が悪い」といった現状否定の話から始まり、「だから転職したい」となります。考え方自体はごく普通のことで、現状否定がまったくない転職をする人に、私はあまり出会ったことがありません。

 ただし、私が見ていて思うのは、この現状否定の感情が強いままで転職する人に、「思ったようにいかなかった」「失敗だった」といっている人が多いことです。

 

 私が転職に関するアドバイスを求められたときに、必ず尋ねることがあります。それは「転職すると何がどのくらい良くなるのか」ということです。そして、「転職によって良くなると思われること」と合わせて、「悪くなること」や「失われること」がいくつあるのかを考えてほしいといいます。

 それぞれの項目を挙げて、良くなることの方が少なくとも5項目以上、できれば10項目はプラスにならなければ、今の段階では転職しない方が良いと伝えています。

 

 現状否定の感情が強いままでの転職は、言い方を変えると現状逃避の性格が強くなります。「辞めたい」が先行しているので、転職によって失われるものには目が向いていません。転職後に初めて失われたものに気づき、それが「思い通りでない」「失敗だった」となっています。

 

 あまりにひどいブラック企業なら、一刻も早く逃れることを優先するときもありますが、一般的な転職であれば、少なくとも「何かが良くなること」を求めて転職しますから、「良くなると思われること」にはみんなそれなりの意識があります。給料があがる、会社の知名度が上がる、希望する業務に就けるなどは一番多いことです。

 しかし、給料が高くない会社、知名度がない会社であっても、辞めれば失う物が必ずあります。このことを、みんな考えているようで意外に考えていません。

 

 転職は働く環境のリセットなので、仕事に関連する多くことのが変わり、当然ですが良くなることも悪くなることもあります。勤務場所や給料などの労働条件だけでなく、仕事の進め方は変わりますし、人間関係も全面的に変わります。今までの知識や経験が通用しないかもしれませんし、身近にいるのは気が合う人ばかりではないでしょう。

 仕事の進め方や業務知識などは、自分が学ぶことで解決できますが、人間関係の相性など自分では変えられないこともあります。ここで、今の会社と転職先の会社の差し引きがプラスでなければ、良い転職とは言えません。

 

 私は企業では退職者対策や採用活動を一緒に工夫しますが、これは社員が「是非働いてみたい」「働き続けたい」と思ってもらえる環境作りに努力するしか方法はありません。また、どんなに努力しても、退職者がいなくなることはありません。

 転職希望者に対しては、したければどんどんすればよいと言っています。嫌々で会社にしがみつく必要はないし、それは不幸なことだと思うからです。ただ、転職がしやすい環境になると、安易な転職が増えて、「こんなはずではなかった」という人も比例して増えていきます。これもあまり幸せなことではありません。

 

 転職を考えるにあたっては、確実に良くなることが失うことよりも5個以上、できれば10個上回るかどうかを考えてみてください。今のように転職できる環境だからこそ、よく考えなければならないことがあります。

 

 

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