民主党、生活・環境・未来のための緊急経済対策(2) - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士
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民主党、生活・環境・未来のための緊急経済対策(2)

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税制改正 平成21年度税制改正
昨日の記事で基本方針等をご紹介した民主党の「生活・環境・未来のための
緊急経済対策」の具体的な内容を今日、明日の2回でご紹介します。

3.具体的な政策
(1)家計が自由に使えるお金(可処分所得)を増やす(14.1兆円程度)
家計に対する直接支払の拡充や減税、生活コストの低減によって、家計が
自由に使えるお金を増やす。合わせて、地域が自由に使えるお金を増やして、
地域事情に応じた生活改善策を支援する。

・子ども手当
中学卒業までの子ども1人あたり月額2.6万円の「子ども手当」を支給。
・高校実質無償化
国公立高校通学世帯に対して授業料相当額を助成し、実質無料化を図る。
私立高校通学世帯についても、12〜24万円の助成を講じる。
・大学生に対する奨学金の大幅拡充
所得800万円以下の世帯の子女に対し、国公私立大学それぞれの授業料に
見合う無利子奨学金を交付する。所得400万円以下の世帯の子女については
生活費相当額についても奨学金を交付する。また、低所得者への授業料負担
軽減を実施する大学に対する交付金・助成金を増額する。
・年金課税の見直し
H16年税制改正で講じられた「公的年金控除の縮小」「老年者控除の廃止」
を取りやめ、H16年改正以前の状態に戻す。
・高速道路無料化
首都高速、阪神高速を除く高速道路料金を、原則無料化する。これにより、
生活コストを引き下げ、また地域活性化を促進する。
・暫定税率廃止・直轄事業地方負担金廃止
2.5兆円の減税を実施すると共に、直轄事業に対する地方負担金制度を廃止し、
地方の自主財源を増やすことによって、地域の実情に応じた生活改善策を支援する。
・中小企業の法人税率引き下げ等
中小企業向けの法人税率を11%に引き下げる。
・中小企業オーナー課税の廃止
1人オーナー会社にかかわる、いわゆる「オーナー課税制度」を廃止する。
・中小企業、住宅ローンを抱える個人に対する支援
時限的な措置(原則2年)として、取引先の倒産等の影響を受けている
中小企業、勤め先の倒産・リストラ等により住宅ローンの返済が困難と
なっている個人等の返済条件を緩和する。そのため、変更等に柔軟に
応じた金融機関に対する財政上、金融上の支援を行う。

上記項目のうち、可能なものについては年内に実施する。

(2)新しいライフスタイル、新しい価値の実現を支援する(1.6兆円程度)
以下の財政政策に加え、再生可能エネルギー分野における固定価格買取制度の
速やかな導入などを含めた大胆な政策を講じることで、国民のライフスタイル
や価値観の変化に対応した新しい市場・産業の育成を推進する。

・太陽光パネル設置促進等
住宅用太陽光パネルの設置に対する半額助成など再生可能エネルギー導入に
対する経済的支援を実施する。
・次世代自動車購入支援
一定基準以上の低燃費車、ハイブリッド等の環境対応車への買い替えについて、
200万台程度を対象に最大30万円の促進策を実施する。
・省エネ等住宅リフォーム
(※詳細検討中)

上記項目については、速やかに実施する。




今日は4項目ある具体的な政策のうち、1、2を紹介しました。
昨年末に発表された平成21年度民主党税制改正大綱からより具体的になった
部分もありますが、基本的には、同じ系列のものと考えられます。

今日、ご紹介した中では、
・子ども手当
・老年者控除の廃止(平成16年改正)の解除
・高速道路無料化
・昨年4月に混乱した暫定税率の廃止
・中小企業に対する税率の引下げ
・特定同族会社の業務主催役員に対する給与所得控除分の損金不算入等の廃止
等が盛り込まれた。

2項目目に掲げる環境対策については、麻生内閣案の方が充実しているように
思いますが、国民の可処分所得向上に向けた民主党の積極的な取り組みが
見て取れ、積極的な評価をすべき点ではないかと思います。

ただ、ばら撒きの結果として財源が確保できるのか、心配もありますが。

いずれにせよ、景気回復が先決であり、景気回復の後の大増税は避けられない
方向性だと思います。

次回は後半の3,4の具体的な政策をご紹介します。