「１年体験高校留学して楽しかったのでそのまま卒業留学にしたい。」

最近とてもよく耳にする相談です。

また、真面目で頑張る日本人高校生がよく迷い込むルートです。

「日本の学校は嫌いだ！」と、ろくに勉強もしてこなかった日本の落ちこぼれ生徒が、全く間違った考えでエージェントにホイホイ送られてくるのとは好対照。

「私は今カナダに留学している高校2年生です。来年の7月から日本の高校に戻ります。学校を休学しているので留年して一つ下の年（高校2年生）に入ります。

今、カナダでの卒業留学を視野に入れていますが、2年留学にすると日本の高校を辞めることになりますし、親へのお金の負担がかなり大きくなるそうです。

留学1年だと努力次第というのもありますが、英語がのび切る前に日本に戻ることになりますので、次の理由で卒業留学に切り替えたいです。 

・大学受験を楽したい

・留年したくない

・高校の一個下は新カリキュラムを勉強してるので心配」

これについて、ネットの留学相談ですでについていた「回答」を引用し、警告を発してみます。

回答（１）ー　単なる高校留学にはメリットが少ない

「残るのはおすすめできません。

高校卒業留学は、そのまま海外の大学へ進学する予定の人以外にメリットが少ないんです。」

全く同感です。

海外大進学目的のない人は、高校留学してもマイナスしかないです。

また、現在のカナダの高校留学事情では、大学進学目的でもマイナスの方がはるかに大きいです。

理由：

・英語力は日本の高校生卒業生の方がはるかに高い

・世界レベルを誇る、日本の高校でのサイエンス・数学の基本が完全に欠如してしまう

・日本人として必須の知識「国語」「社会科」が欠如してしまう。

・社会と大きな接点を持ち、様々な経験をするはずの高校時代を失う

高校留学生は、孤独・孤立・社会から切り離された狭い経験しか出来ないのが現状です。

回答（２）ー　カナダの高校は卒業認定が厳しい 

「今は交換留学生の「お客さん」ですから、易しい教科を履修させて貰えますし、成績評価も甘いです。

でも、卒業留学になると、日本の高校で履修した全単位を認めて貰えることは少なく、日本の高校では履修しない必修かもく、EnglishやCanadian Histryなどを再履修してパスしなければならないのです。

高１や高２でカナダの高校へ編入した日本人には卒業が20歳を超えるのが普通ですし、English 12で苦しんでいる日本人留学生が多いと聞いています。

だから、あと１年で卒業できる保証がなく、２年以上掛かる可能性があります。」

大同感。

「よし！残って卒業しよう」カリキュラムに入ったとたん、慌てるのが常です。

また、どの州でも（カナダは州ごとに教育制度が異なります）高校卒業にはEN12（もちろんその前にEN10,11)にパスすることが必須ですが、この合格率が非常に低い事も知らないまま、大きな決断をしてしまう高校生が多いです。

親も、「子供がそうしたいと言うので。」とカナダの教育をよく知らないまま、感情的に決めてしまう方が多いことに首を傾げてしまいます。

回答（３）ー　費用が高額

「交換留学は国の文化交流事業なので、費用が安く設定されています。

でも、私費留学に切り替えると、１学年9ヶ月で最低でも300～400万円が必要になります。奨学金や補助金はありません。

仮に卒業まで残り３〜４年かかるとしたら、親御さんは大変な負担になります。」

日本の親は甘々ですね。

子供がそう言うから。。と１千万円単位のお金をポイッと払います、エージェントに。

その中からいくらリベートでエージェントの懐に入るかも知らないまま。

ま、騙されることよりも「子供の気持ち」ですかね。

Up to you, Parents.

回答（４）ー　国立大には帰国生入試がない 

「海外の高校に２年以上在籍して卒業した（または卒業見込みの）人は、帰国子女枠入試や帰国生入試を受けることができます。

ただ、国立大の帰国子女枠入試には「親の海外赴任に帯同した子」という追加条件がある大学が大半なので、私費留学生は主として私立大学の帰国生入試を受験することになります。

カナダと日本では高校のカリキュラムが異なります。

国立大の入試に必要な古文や漢文、日本史などは独学しなければならず、一般入試を受験するには１～２年の浪人覚悟になるでしょう。

国立大受験を目指しているなら、帰国すべきだと思います。」

私立の帰国生入試も年を追うごとに難しくなっていると聞きます。

特に、中途半端な高校留学をしてしまった日本人には、ある程度のレベルの私立大学に合格するだけの成績が取れないケースが多いです。

勉強しても勉強しても成績が悪いです、残念ながら。　英語もクリティカルシンキングも、カナダに合わせた準備学習をして来なかった大きなツケです。

帰国生入試に課せられるSAT. TOEFLなどのスコアも、日本の高校生の出す点数にも届かない高校留学組がかなりいることも警告点です。

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厳しいですよ！　一年そこらの体験高校留学生は、「回答１」にもあったようにいわば「お客さん」。

「卒業留学に切り替えたいんです。」からは、現地高校生に課せられるのと同じ難易度の非常に高いコースに変わります。

高校留学の負の部分がどどっと襲ってくるのが２年目でしょうか。

日本人が多すぎで、日本人高校生がやくざのようなグループを作り、つるまないわけにも行かず、落ちこぼれ組に巻き込まれ、結局何をしにカナダに来たのかわからなくなり、挙げ句の果ては退学・帰国の末路をたどる件数がとても多くなっていることをよく認識しておいて下さい。

高校留学はしないこと。 

カナダには大学から。

カナダにいらっしゃい！

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