相手が変わってくれないと嘆く前に - キャリアコーチング - 専門家プロファイル

阿妻 靖史
パーソナルコーチ

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閲覧数順 2024年04月24日更新

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相手が変わってくれないと嘆く前に

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 恋愛セラピストのあづまです。こんにちは。

 「主人に『ホメる』『ねぎらう』『感謝する』のコミュニケーションを取ってますし、『アイメッセージ』もしています。でも、全然優しくならないし、変わらないんです。」

 こういう相談を受けることがあります。
 そうでしょうね。
 長年、積もりに積もったものがあるわけですから、そんな1週間や2週間でがらっと変わったりしないと思います。今は既に「お前のためには指一本動かしたくない」という心境になっているかもしれません。ちなみにこういう心境は要するに、怒りを飲み込んで心の内にため込んで、限界に達しているのです。ですので、私は、目安として3ヶ月やってみることを勧めます。但し、その途中でも何の変化もしないことは、通常ありません。必ず何らかの変化が見られるはずです。

 上記のような嘆きをする背景には、いくつかの原因があります。

 ★ひとつ目は心の変化に時間がかかることを理解していない、ということ。
 これは、生活習慣病の治療みたいに考えればいいと思います。栄養や生活習慣が悪かった、だから今日から運動も心がけて、野菜もちゃんと食べよう。さて、どれぐらい続けたら効果が出ますか?やっぱり最低でも1ヶ月。普通は半年ぐらいはかけて改善することを計画するんじゃないでしょうか。
 心の生活習慣も、同じように考えてください。

 ★ふたつ目は完璧を求めていること。
 相手が優しくない、という【裁く】ものの見方をしているとき、私たちは相手が不器用ながら示そうとしている愛情すら受け取っていません。優しい言葉は苦手な男性が、生活面で苦労させまいと仕事を一生懸命やることで愛情を示していたとします。裁くものの見方では、「私がほしいのは優しい言葉や愛情で、仕事ばかりするのは、冷たい!」みたいになるわけです。考えてみると「私のほしいものを、私の思い通りに差し出してくれないなら、受け取らない!」という姿勢なので結構わがままです。この発想をしている限り、相手の愛情に気づかず、自分が損をしているわけです。
 念のため付け加えておくと、これは相手に100%合わせなさいという意味ではなく、相手の心をくみ取って感謝しましょうという意味です。

 ★みっつ目は、ひとつ目やふたつ目と重なりますが、過去の感情に縛られていること。
 私たちは、過去の感情に縛られて生きています。父親が頼りなかった、高圧的だった、立派だけど優しさに欠けていた、暴力的だった、そしてそれがとてもイヤだった。だから、男の人は「お父さんみたいになっては絶対にいけない!」みたいに思うことがあるはずです。
 すると、普通なら許せるような小さな頼りなさ、ちょい威張り、学歴とか仕事の成績を自慢する、なんかあるときちょっと激しく怒った、こんな出来事が「あぁ!!この人もお父さんみたいだ!許せない!ひどい!幻滅した!」という感覚を呼び起こします。
 でも、お父さんとの関係が良好だった人なら、さらっと流して許しています。つまりこれは、あなたの心の中に蓄積した怒りが彼の行動をきっかけに出てきたに過ぎないんです。もっと言えば、お父さんに対する怒りを彼にぶつけたということ。感情の借金を彼に肩代わりさせた、みたいなことです。
 ※お父さん以外の人に対する怒りの場合もありますが、多くのケースでお父さんです。
 ※感情の90対10の法則も参考にしてください。


 こうして、少し忍耐強く『ホメる』『ねぎらう』『感謝する』コミュニケーションを続けていると次第に相手の気持ちがほぐれてきます。この途中で辛くなるかもしれません。その時は相手にカウンセリングを受けさせるのではなく(大抵嫌がるので)、あなた自身がカウンセラーやコーチに支えてもらいながらこのプロセスを続けていく方がよいと思います。

 ★よっつ目の原因としては、これはもう、別れるしかないということなのですが、
 やはり、あなたの忍耐力と愛情の限界を超えるほど、相手の心の傷、心の問題が深い場合です。この場合、やはり別れを選択するしかないでしょう。別れることは悪いことではありません。できる限りのことをしたけれど、やはり自分には支えきれない、そう思ったときには別れを選択することも大切なことです。
 その時には、別れる相手のことを「ひどい人、悪い人、ダメな人」と捉えるのではなく、「私が支えきれないほど、心に重荷を抱えている人」と思ってあげてほしいと思います。
 心理の深い理解によれば、暴力、浮気、浪費、ギャンブル、アルコール、危険行為、風俗(依存的に)などは全て心の重荷から来るものです。
 本当は専門のセラピストが付いて、数年かけて解決するような問題のこともあります。
 あなたが支えきれなくて、本人も専門家の助けを求める気がない。そうしたら、もうできることはありません。どうか身も心もボロボロになる前に、勇気を出して別れを選択してください。


 まとめますと、
 まずは、『ホメる』『ねぎらう』『感謝する』のコミュニケーションをとることを、3ヶ月ぐらいを目安に続けてみてください。そして、小さな変化を喜ぶこと。あなた自身が過去から引きずってきた感情が、相手を傷つけているかもしれないということにも目を向けてください。
 そして、どうしてもダメなときは、「私には限界です。この人を心の重荷から救えませんでした。」こう考えて、別れを選択するのも、人生の大事な選択です。

 どうか、裁く気持ちを癒して、ご自分にも、相手の方にも愛情を持って接してください。