- 河野 英仁
- 河野特許事務所 弁理士
- 弁理士
対象:企業法務
- 尾上 雅典
- (行政書士)
- 河野 英仁
- (弁理士)
Triantafyllos Tafas. et al.,
Plaintiffs-Appellees,
v.
John J. Doll. et al.,
Defendants-Appellants.
〜継続出願の回数制限は違法か〜(第3回)
河野特許事務所 2009年4月7日 執筆者:弁理士 河野 英仁
●CAFCでの争点
改正規則は米国特許法に反するか?
控訴審において争点となったのは以下の4つのFinal Rule(以下、規則という)である。
規則78・・継続出願及び一部継続(CIP: Continuation-In-Part)出願の回数制限
規則114・・継続審査請求(RCE: Requests for Continued Examination)の回数制限
規則75及び規則265・・独立クレームが5を超える、または、クレーム総数が25を超える場合のESD提出要求
以下、復習をかねて改正内容を説明する。
(1) 規則78・・継続出願及びCIP出願の回数制限
規則78は、継続出願及びCIP出願を認めるが、同一出願ファミリー内においてその回数を2回までに制限するものである(37 C.F.R. 1.78(d)(1)(i))。この出願ファミリーとは、米国特許出願及び当該米国特許出願から派生した継続出願及びCIP出願である。例えば継続出願を行った場合、親出願及び継続出願のそれぞれにおいて継続出願の回数がカウントされ、当該親出願及び継続出願を含む一出願ファミリー内で合計2回までに継続出願が制限される。なお、審査官の限定要求に伴う分割出願(米国特許法第121条)は、別途新たな出願ファミリーとなる。
出願人が2回を超える継続出願及びCIP出願を希望する場合、出願人は
「今回提出する補正、意見、または証拠が、先の出願の審査過程においてなぜ提出されなかったか」
を示す嘆願書を提出しなければならない(37 C.F.R. 1.78(d)(1)(vi))。
出願人が要求された嘆願書を提出することができない場合、USPTOは審査のために当該継続出願を受け付けるものの、
「先の出願に対する特別な言及(原出願日遡及の主張)を拒絶するか、または、存在するのであれば削除する」(37 C.F.R. § 1.78(d)(1))。
つまり、3度目以降の継続出願及びCIP出願については、上記嘆願書を提出できない場合、出願日の遡及効果を得ることができなくなる。
(第4回に続く)