電力への依存がますます高まる時代、停電への備えはここまできている

日本は世界有数の災害大国です。自然災害が起きないようにすることはできませんが、災害の被害を最小限に食い止めることはできます。減災のテクノロジーはどんどん進化して、災害が来てもできるだけ日常生活を続けられるような仕組みが確立しています。

今回はそんな中のひとつ、停電に備えるユニークなシステムについてのお話をしたいと思います。

先日、弊社和上ホールディングスの社内において「スマートエルラインライト」という停電時の電力供給システムの勉強会がありました。これがなかなか面白いもので、自分の家にもこれがあればと思うほどの優れものなので、ここでも改めて紹介します。

この「スマートエルラインライト」は災害などによって停電が起きたときに威力を発揮する給電システムです。太陽光発電と蓄電池を組み合わせたシステムを構築している家庭では蓄電池による給電が可能ですが、蓄電池の価格分だけシステムの費用が高くなってしまいます。そこで蓄電池なしでも給電できる仕組みがほしいというニーズに応えたのが、この「スマートエルラインライト」です。太陽光発電は晴れている昼間であれば停電時であっても自立運転モードで電力を使うことができます。東日本大震災では太陽光発電が大活躍したので、災害時の備えとして太陽光発電が注目されたものです。しかし、太陽光発電は天気の悪い日や夜間は発電ができません。それを補うために蓄電池を組み合わせるシステムが注目され、和上ホールディングスとしても太陽光発電＋蓄電池のシステムを多く提案してきました。

今回紹介する「スマートエルラインライト」は、蓄電池がなくても停電時に給電ができます。晴れている昼間は自動的に太陽光パネルからの電力を供給し、夜間や天気の悪い日は自宅にあるクルマが電力源になります。EV（電気自動車）やハイブリッド車、プラグインハイブリッド車など動力源としてのバッテリーが搭載されているエコカーであれば、それが蓄電池の代わりになります。

EVの市場がどんどん拡大していますし、すでにハイブリッド車などに乗っている人は多いので、これを蓄電池として活用しようというわけです。充電の状態にもよりますが、最大で3日間も生活に必要な電力を得ることができます。3日間もあれば電力供給が復旧するかもしれませんし、生活に及ぼす影響はかなり少なく抑えられそうです。それ以前に、「いざとなっても電力が使える」という安心感は平時でも大きいと思います。

これからはエコカーがどんどん普及していきます。自宅に蓄電池があるようなものなので、それを活用することで低コストで停電対策ができるのは、とても魅力的です。今どきの生活は電力への依存度がとても高くなっており、スマホが充電できないだけで大いに支障をきたす方は多いでしょう。それ以外にも冷蔵庫の電源を切らずに使い続けられるので食品ロスの発生を抑えることもできますし、この機会にエコカーへの乗り換えと「スマートエルラインライト」による停電時対応を両立してみてはいかがでしょうか。