- 小笠原 隆夫
- ユニティ・サポート 代表
- 東京都
- 経営コンサルタント
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03-4590-2921
対象:人材採用
- 中井 雅祥
- (求人とキャリアのコンサルタント)
- 中井 雅祥
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「積極採用」と「厳選採用」のほどよいバランスを知るには
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成長基調で事業が拡大している企業の場合、近年は特に人手不足の傾向が顕著です。
積極的な採用活動を展開しても、望ましい人材がなかなか確保できません。そうなるとどうしても採用人数を優先しがちになってきます。決して基準を下げているつもりではないのに、無意識のうちにそうなっているケースもあります。
そんな「積極採用」の時によく見られるのは、応募者に対する「善意の解釈」です。
「ちょっと気になるところはあるが、たぶん何とかなるだろう」
「ちょっと能力は足りないかもしれないが、教えればいいだろう」
「直接の経験はないが、経験が応用できそうだから大丈夫だろう」
という感じです。
そして、こういう判断をした結果、総じて見られるのは「やっぱり最初に心配した通りで、結局うまくいかなかった」という状況です。これはあくまで私の経験上の個人的な感覚ですが、初めに心配したことが結局当たっていたという確率は、7~8割くらいはある感じだと思っています。第一印象というのは、結構正しいところがあるものです。
こうなると、本人も仕事がつらい、向いていないという状況を自覚するので、多くが退職してしまいます。会社はまたその人員補充をしなければならず、俗に言われる「ザルで水をすくう」という悪循環に陥ります。採用活動に費用と労力ばかりがかかり、結果はついて来ません。
ただ、これも私が見てきた経験上ですが、成長していく企業には必ずこういう時期があります。知名度が低くて応募者を集められない、でも人材は欲しいという中で、「積極採用」を行う会社では、一度は通らなければならない道かもしれません。
それで、どうにかして人を増やしながら、積極採用を続けていると、会社の中で徐々に疑問が生まれてきます。「こんなやり方はお金と労力の無駄ではないか」「やはり採用基準が甘いのではないか」と問題提起がされます。
すると今度は、今までのやり方が効率的ではないということで、「量より質」という方向が強まります。俗に言われる「厳選採用」へのシフトです。
採用スタッフの体制を強化し、今までよりは厳しい採用基準で、「善意の解釈」はやめるという形になっていきます。
そうなれば当然、今まで採用人数は維持しづらくなり、特に現場からは「もっと人材確保を」という圧力が強まってきます。
そして、ここから先は、企業によって「もっと数」なのか、「もっと質」なのかの判断は異なってきます。会社状況によって、「積極採用」と「厳選採用」との間でバランスを取り始めます。
企業の採用活動で、数と質のバランスを取ることは、当然のことだと思うかもしれません。ただ、自社にとって最大の「積極採用」と、最大の「厳選採用」の両極端を経験しなければ、中間にあるその時々の適切なバランスを見つけ出すことはできません。
人事の課題解決ではすべてそうですが、会社としての経験の積み重ねが必要です。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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