突然ですが、誰かから不可解もしくは失礼な言動をされて、「いったいどういうつもりなんだろう」と思い悩むことってないですか。
私はよくありました。また、カウンセリングでも似たようなお話はよく聞きます。
カウンセラーとしては、他人が考えていることを想像してもわかりようがなく、その妄想を手放すか、手放せないなら本人に確認するかなどと対応するのが一般的かと思われ、実際私も長年そうしてきたのですが、最近急に気づいたことをみなさまと共有したいと思います。
それは、「彼らはそんなに深く考えてない」、だからいくら考えても確認しても意味がないということです
多くの場合、傷ついたほうはなかなかそのことを忘れられないのに対し、傷つけたほうは自覚もなく覚えていなかったりします。
傷つけられたほうは、「なんでだろう」と自分の言動を反省したり自分を責めたり、相手の考えを理解しようとあれこれ思いをめぐらします。私もそうでした。
実際に、何度か本人に直接確認したこともありますが、私のアサーションが不充分だったのか、逆ギレされるか黙られるかで、納得のいく説明を得られたことはありませんでした。
逆ギレもだんまりも、コミュニケーションの拒絶です。つまり、彼らは話せない、なぜならきちんと話すだけの考えがないからだと気がついたのです。今までは、考えがあるという前提でどんな考えか探るばかりで、考えがないという発想がなかったとは、我ながらうかつでした。
カップルカウンセリングでは、相手を傷つけたくないから黙っていると言う人が多いのですが、少なくとも私には、傷つけるような感情的な言動を抑えているだけで、相手との関係性について深い考えがあるように思える人はほとんどいませんでした。もしあるのに黙っているのなら、それは相手への思いやりではなく、相手を苦しめるだけの不誠実な態度、意地悪です。
パワハラ、セクハラの行為者にも共通していることですが、傷つけるほうにはほぼ自覚がありません。なぜなら、彼らは深く考えることなく、ほとんど反射的に場あたり的に行動しているからです。だから、覚えていないことも多く、考えも記憶も答えられず追い詰められた気がして逆ギレしてしまうのでしょう。
そう考えると納得できることがありませんか。私はとても腑に落ちました。母親もかつての恋人も、深く考えることなく言ったりやったりしていて、それに私は振り回されて傷つき、なのに相手は後日何事もなかったかのように接してきたり、まじめな話をすると急に不機嫌になったり・・、つまり彼らはそのときどきの感情を衝動的に発しているだけだったのです。
何が言いたいかというと、誰かの言動に振り回され傷ついてあれこれ思い悩んでいても、あなたが思い悩むほど相手は何も考えていないことがほとんどなので、思い悩む時間とエネルギーが本当にもったいない、彼らは「深くものごとを考えられない病」だと思って彼らの言動の意味を考えるのはやめましょう、その代わりに自分の時間を充実させましょうということです。
そうはいっても、そう簡単には割り切れませんよね。私も長年いろいろ悩んだ末にたどりついた境地なので、すぐに受け入れていただけるとは思っていません。でも、深く考えない人は一定数いて、彼らを理解しようとしたり変えようとしたりしても意味がなく、そのエネルギーは自分を守るためにつかうことが現実的な対処法だということは、ぜひ頭にとめておいてください。
このコラムの執筆専門家
- 藤井 雅子
- (東京都 / 心理カウンセラー)
- メンタルエステ ココロの部屋
カウンセリングはココロのエステ
自分を好きになれない、自信がない、思ったことを上手に表現できない、人目が気になって仕方ない、不安やイライラで毎日が楽しくない、甘え下手・・でもどうしていいかわからない、そんな悩める女性たちを心から応援します。ぜひ一度ご相談ください。