
- 小笠原 隆夫
- ユニティ・サポート 代表
- 東京都
- 経営コンサルタント
-
03-4590-2921
対象:人材採用
- 中井 雅祥
- (求人とキャリアのコンサルタント)
- 中井 雅祥
- (求人とキャリアのコンサルタント)
採用面接というのは、応募者にとっては基本的に自己アピールの場ですから、多くは自分の得意なことや過去の成功体験の話をします。そのために、時間をかけて、自分の成功体験を語れるように準備をしてきます。
しかし、いくつかの会社で同じように言われたのは、「挫折経験や失敗体験を持った人に来てほしい」という話です。これは、新入社員から社長の後継者候補まで同じだったので、人材のレベルを問わない共通の要件なのでしょう。
この話は私の経験上でも気持ちがよく理解できます。
「成功体験」というのは、そのプロセスや途中の努力など評価できることはたくさんありますが、それがまったく別のステージで再現できるかは、何とも言えないところがあります。
これに対して「挫折」や「失敗」は、それを初めから起こると想定していることはほとんどありません。ほぼ突発的に起こってしまうことであり、そのことへの対応はその人の臨機応変さにつながる部分です。
また、いくつかの会社に聞く限りでは、それを克服できたかどうかにはこだわりがなく、そういう経験をしていて、なおかつそれを他人に語れるようになっていれば、すでに次への活かし方を見つけられていると評価しています。
解決できたかどうかというよりは、「自分の思い通りにいかないことに向き合った経験」が、一番大事だといっています。
最近の若者は打たれ弱いなどと言われ、確かにそうだと感じることはありますが、その理由の一つに「周りが失敗させないように気をつかっている」と思うことがあります。特に大人と子供の関係の中でよく感じます。
これは、今の少子化の環境では仕方がないところがありますが、「失敗体験」が少なければ一度の失敗で感じるショックは大きくなり、大きなショックであればあるほど、そこから立ち直るのが大変になります。
しかし、今の若者たちに失敗体験がないかと言えば決してそんなことはなく、失敗の有無を問いかけてみると、みんなそれなりに経験を持っています。受験の失敗、部活での失敗、友人関係の失敗、その他いろいろです。たぶん嫌なことはできるだけ早く忘れようとして、あえて向き合わなかったようにも思います。
これから採用面接に向かう予定がある人は、「成功体験」に基づく自己アピールと合わせて、「失敗や挫折の体験」も語れるようにしておくとよいです。そこでは失敗を克服した話や、それに立ち向かった話がなくてもかまいません。まったくダメだった経験、逃げ出した経験、何もできなかった経験が、将来性につながるものとして評価されることがあります。
自分のことを客観的に語れる人が、どんな場面でも強いと思います。
このコラムの執筆専門家

- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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