日経記事;『日立、米ITグローバルロジックを買収 1兆円規模』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『日立、米ITグローバルロジックを買収 1兆円規模』に関する考察

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皆様、

こんにちは。グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

 

3月31日付の日経新聞に、『日立、米ITグローバルロジックを買収 1兆円規模』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

 

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『日立製作所は米IT(情報技術)企業のグローバルロジックを買収する。買収額は総額で96億ドル(約1兆500億円)で、電機業界では過去最大級となる。ITを軸とした成長戦略を掲げ、相乗効果の低いグループ企業の売却を進めてきた。モノの売り切りに依存してきた製造業ではソフトやサービスに軸足を移す動きが広がっている。。。』

 

日立製作所は、2回目の大きな集中と選択作業を行っています。今回の集中と選択は、モノからソフトウェアへの業態変更の加速化と、海外販路の確立を目標としています。

 

日立は、既存の製造事業者からの転換を行っています。例えば、日立の有力子会社であった日立金属、日立化成、日立電線などを素手売却済、もしくは売却予定としています。この一連の動きから、日立が、モノからソフトウェアへの変更を加速化させていることは確実です。

 

今回、日立が買収するグローバルロジックは、2000年に創立され、米国シリコンバレーに拠点をもつIT企業です。この企業は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するシステムを開発・実用化して、米欧の大手企業に採用されています。

 

日立は、グローバルロジックを買収することで、自社の次世代主力事業であるIoT対応のプラットフォームであるLumadaの強化と、海外販路の拡大・強化を狙っています。日立は、Lumadaを「顧客企業との協業・連携(アライアンス)によりIoT対応を軸としたプラットフォームであり、このプラットフォームを活用したサービス・商品の提供である」としているとの印象をもっています。詳しくは、日立の下記Webサイトをご覧ください。

https://www.hitachi.co.jp/products/it/lumada/about/index.html

 

日立がこの大型買収を成功させるかどうかは、まさに協業・連携(アライアンス)を上手くいかせるかどうかにかかっています。日立が今回行う協業・連携(アライアンス)には。二つの意味が含まれます。

 

一つは、今回買収するグローバルロジックとの協業・連携(アライアンス)です。日立がグローバルロジックとの組織融合に成功して、日立とグローバルロジックとお互いに「Win/Win」となる関係が築けるかが重要になります。グローバルロジックは、基本的にIT企業ですので、ここで働くソフトウエアエンジニアが企業の価値になります。グローバルロジックから、日立の買収後にエンジニアが大量に離職すれば、この企業の資産価値は大きく下がります。

 

もう一つは、顧客企業との協業・連携(アライアンス)です。Lumadaは、顧客企業とのアライアンスなくして成功しません。日立は、今まで国内事業の収益が大きな柱になっていました。日立は、グローバルロジックの買収を機に、海外企業との協業・連携(アライアンス)を積極的に行おうとしています。日立がこの海外企業との協業・連携(アライアンス)に失敗すれば、グローバルロジックの買収効果は限定的になります。

 

一方、最近中小企業のM&Aが再び活性化しつつあります。これは、一つの要因として中小企業の後継者不足や事業承継の観点から、M&Aが増えています。また、もう一つの要因は、今回の日立と同じように自社事業基盤の強化や再構築を目指して行うことが原動力となっています。

 

私の経営支援メニューの中に、協業・連携(アライアンス)とM&Aがありますので、中小企業からの要請により当該案件数が増えています。

 

私は、中小企業のM&Aについては、実行する前に自社の経営状況(事業収益、キャッシュフロー、金融機関から借金、人的資源など)を客観的に検討・確認して、今行うべきかどうか判断することを勧めています。

 

M&Aで買われる企業は、事業収益が低く、金融機関からの借金が相対的に大きいと、売却価格を安く買いたたかれます。中小企業には、M&Aの実施には、少なくとも3~4年の準備期間を置いて、検討・確認・実施することを勧めています。

 

また、M&Aで他企業を買収する企業も同じです。M&Aで最も重要であり、必要なことは買収した企業との組織融合です。一般的に、M&Aを行った企業が、相手先との組織融合に失敗すると、買収した企業の社員が辞める、モチベーションが低下して、事業収益が悪化するなどのネガティブ要因が多くなります。

 

特に、今まで他社との協業・連携(アライアンス)を一度も行っていない企業については、M&Aによる他社買収行為を止めさせて、先ずは他社との協業を最優先で行うようにしてもらいます。

 

私の経験則では、他社との協業・連携(アライアンス)ができない、あるいは経験がない中小企業が、M&Aによる他社買収をうまく行えません。ほとんどのケースでは、失敗しています。その大きな原因は、買収後の組織融合です。

 

国内企業の中で、M&Aを数多く行っている会社の一つが日本電産です。日本電産によると、M&A成功の要因は以下の通りです。

・適正な価格で買収する。

・買収後の企業経営に注力する。

・相乗効果のある案件を選ぶ。

 

上記三つの要因は、まさにM&A成功の主力要因です。「買収後の企業経営に注力する。」は、私が上記で言っています組織融合になります。組織融合を成功させるには、自社のやり方を押し付けず、相手企業の経営のやり方を認めることにあります。私は、このことを経営の自治権と言っています。もちろん相手企業の経営全般は、買収企業が責任をもちます。

 

「相乗効果のある案件を選ぶ。」は、他社との協業・連携(アライアンス)成功の基盤となる「Win/Win」の関係が構築できることです。したがって、上記しましたように、M&Aを行う企業は、事前に他社との協業・連携(アライアンス)の経験をもっておき、「Win/Win」の関係構築を成功させておくことが、重要であり必要になります。この「Win/Win」の関係構築ができそうな相手先を事前に探して、検討・確認することが、他社との協業・連携(アライアンス)を成功させる要因の一つです。

 

このように、中小企業がM&Aをを活用して、自社収益の拡大を実現するには、その前に他社との協業・連携(アライアンス)を経験しておくことが重要であり、必要になります。

 

よろしくお願いいたします。

 

グローバルビジネスマッチングアドバイザー代表 GBM&A 山本 雅暁

 

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