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閲覧数順 2024年12月12日更新

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こんにちは!介護経営コンサルティング・介護施設紹介「株式会社アースソリューション」の寺崎でございます。


今日は、「組織のガバナンス」についてお話したいと思います。


どんなに名だたる上場企業であっても、最初から大手だったわけではありません。

日本を代表する企業はたくさんありますが、最初は一ベンチャー企業でした。


それが、懸命な企業努力により、社員数千人・数万人という巨大組織が出来、売上数千億円、はたまた数兆円といった企業にまで成長し、今の地位を確立してきたわけです。


それはそれは素晴らしいことです。


では、企業の規模が大きくなれば、完璧なのでしょうか?それは違います。

社会に影響力を与える力を有したすべての組織には、それだけの責任が伴います。


例えば、従業員やその家族。

企業に限らず、すべての組織において、そこに属する従業員等やそのご家族の生活支える義務が生じます。

また、社会的責任は、従業員やその家族に留まりません。

いわゆるステークホルダーと言われる方々、ひいては日本・世界全体に対して大きな責任が伴うわけであります。

何故なら、良くも悪くも、影響力が及ぶからです。


ですので、もし組織をコントロールする者が暴走したとしたら、それを食い止める者が必要です。

もっと言ってしまえば、暴走させないように監視する仕組みが必要となるのです。


そういう仕組みが「ガバナンス」です。


ガバナンスは、組織の規模の関係なく必要な概念であると思います。

しかし実際は、数十人程度が関わるような組織に、これが求められると考えます。


私には実体験があります。

過去に、あるNPO法人の監事を仰せつかったことがありました。

ほかにも理事が3名いて、そのうちの2名とは私と同じ考え方を持ち、とにかく法人をよくしたいという一心でいろいろ取り組んできました。


しかし、理事長がとんでもない方でした。

具体名は申し上げられませんが、その法人は福祉事業を行っており、過去に悪質な不正請求により関連法人の事業所が指定取り消し処分を受けたことがあります。

そのNPO法人の理事長は、関連会社の社長も兼務していましたが、指定取り消し処分を受けて理事長職を辞任せざるを得なくなりました。


指定取り消し処分の影響は、計り知れません。

その影響が、私が監事をしていたNPO法人にも及びそうになったため、私と理事2名とでコンプライアンス経営を実施すべく、様々な改革案を提示いたしました。


ところが取引銀行が、融資凍結を通告する始末。

そうなったら、関連するグループすべてが破綻してしまいます。

ですから、早急に改善計画書を作成して説明し、何とか融資凍結は免れました。


全従業員に対して、コンプライアンス研修を実施し、健全に運営すること重要性を説き、浸透させるべく努力してきました。


しかし、そういう動きが気に入らなった前理事長は、裏で手を回し、私達理事・監事を社員総会で解任させたのです。

厳密には、社員総会に諮って理事・監事の再選を行ったのですが、私達は再任されず、前理事長の息のかかった人間が選ばれることになりました。


私は本当にこの法人をよくしたいと、心から願って行動してきたつもりでしたので、志半ばで事実上の解任となってしまって、不本意でなりませんでした。

この法人にはもはや、ガバナンスという概念は全くありませんね。


先に触れたように、どんな大企業もはじめはベンチャー企業です。

組織が小さいうちは、経営者の目が行き届きます。

しかし、大きくなってくるとそういうわけにもいかない。だから、権限を部下に委譲し、組織化しなければならないのです。


また、創業期は非常に大きな苦労が伴います。

明日資金がショートしてしまうのではないか、明日売上がゼロになってしまうのではないかと・・・

その不安は、相当なものです。


苦難を乗り越えて業績が上がっていくと、経営者も稼げるようになります。

ほとんどの経営者は、「勝って兜の緒を締めよ」とばかりに気を引き締めます。


しかし、ほんの一部ではあるものの、成功を収めると調子に乗る経営者も存在します。

いわゆる「私物化」です。


上場企業の経営者になると、もはや私物化など不可能になります。

自分の役員報酬すら、経営者自身では決められないのですから。


組織が50人から100人程度の組織で、経営者による会社の私物化が起こりやすくなると思います。

もちろん、それはほんの一部の例ですよ。


中小企業は、同族による経営が比較的多いのですよね。

もし、経営陣が暴走してしまうと、ただでさえ非常に大きな権力を持っているわけですから、もう誰も止めることなど不可能になります。


ガバナンスは、経営者が持つ「良心」そのものであると思います。

経営者自身は「個人」「私人」であっても、自分が長として君臨する組織が相応に大きくなると、経営者はもはや「公人」であると言っても過言ではなくなります。


自分が創った会社であっても、いかに公人として振舞えるか。

それはその人の「良心」のなせる業ということだと思うのです。


つい先日、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長が、女性蔑視発言により引責辞任されました。

マスコミの過剰・偏重報道は相変わらずですが、発言自体は問題でしたし、辞任は止む無しかと思いました。


しかし、辞任した森会長が、次期会長として川渕三郎さんに打診をし、川渕さんも了承したというニュースがありました。

これに対し、政府が難色を示したため、結局川渕さんは辞退することになりました。

個人的に、私は川渕三郎さんの大ファンです。Jリーグの発足やBリーグの立て直しに尽力されたその手腕は見事であり、もし組織委員会の長になれば何かを成し遂げてくれたかも、という期待も持てます。


しかし、話の進め方が最悪でした。


その組織の長が引責辞任するというのに、後継会長を自分の息のかかった人間に据えようと画策し、マスコミや世論を味方につけようとしたのが見え見えです。

森会長自身は、ちゃっかり相談役に就こうと。


結局、政府が難色を示し、川渕さんの次期会長就任はなくなったようですが、これころが「ガバナンスの欠如」の最たるものではないでしょうか?

女性蔑視発言も問題ですが、私はこちらも相当問題だと思います。

組織委員会は公益財団法人なのですから、組織のトップ人事を決めるのは理事会に決まっています。


組織は、誰のものなのでしょうか?

今回は、最終的に政府が待ったをかけたのでよかったですが、こんなことがまかり通るようでは、ただでさえコロナ禍でオリンピック中止論が叫ばれている中、ますます拍車がかかってしまいます。


組織のガバナンスについて、もう一度考えてみたいと思います。

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(東京都 / 経営コンサルタント)
株式会社アースソリューション 代表取締役

介護事業所の開設から運営まで、オールワンでお手伝いいたします

有料老人ホーム施設長・訪問・通所介護管理者・老健相談員、事業所開発等の経験を活かし、2007年7月に弊社を設立しました。介護施設紹介サービスをはじめ、介護事業所の開設・運営支援等を行い、最近では介護関連の執筆活動にも力を入れております。

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