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いろいろ大げさにし過ぎて避けられる部長の話

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験

 ある会社の社員から、その人の上司である部長に関する半分は愚痴のような相談を受けました。

 この部長が仕事にかかわると、どんなことでも大げさになり過ぎて、とにかく労力がかかりすぎて困るとのことです。

 

 例えば、顧客から仕事上の提案依頼があったとして、部長がそれを聞きつけると、あの資料を調べろ、このデータを集めろなど、やたらと風呂敷を広げたり、検討と称して長時間の打合せを何度も重ねたり、とにかく過剰な対応になりがちだそうです。

 

 他部門の人などが客観的に見ていて、「その案件でそこまで手をかける必要はないでしょう」などと言われることがよくあるそうですが、部長が盛り上がってしまうとそんな指摘には聞く耳を持ちません。そういったことが度々おこります。

 過剰な対応が自分一人に閉じたことであればまだしも、周りの部下たちを業務状況に関わらずに巻き込むので、その時に抱えているもっと重要な仕事が進められなくなってしまうそうです。

 

 私もこの部長のことは知っていますが、みんなで一緒にお祭り騒ぎをするのが好きなタイプの人なので、よけいなことに他人を巻き込む傾向は確かにわかる感じがします。

 

 問題なのはここからで、この部門内では特に部長と他の社員との間でコミュニケーションの滞りが顕著になっていて、仕事上の行き違いや手戻りなどの不都合が多くなっているそうです。

 その最も大きな理由は、「部長に知らせると大げさになり過ぎる」「仕事が進まなくなる」ということで、報告を必要最小限にする、口出しできないように確定するまで知らせない、できるだけ巻き込まないように話を進めるなど、要は部長に対する「報連相」を避けるようになってしまっているといいます。しかもそれが、無意識のうちにおこなわれてしまっていることが多いそうです。

 

 これは人間の心理としてはごく普通のことです。自分の不利益となって返ってくるような行動を、いつまでも続ける人はいません。

 「報連相」は組織上の義務だという人がいますが、それを行うことが組織上のメリットになるという前提があります。上司への「報連相」が適切に行われることで、「トラブルを未然に防いだ」「クレームを最小限にとどめた」「良いアドバイスがもらえた」などというメリットが多ければ、みんなが積極的に取り組むようになるでしょうが、そうでなければ「できるだけ言わないでおこう」というようなことが横行してきます。

 

 これは意図的なトラブル隠しなどとは次元が違って、隠すつもりはないことが、いつの間にか隠れていってしまうということです。こういう環境で重大なトラブルがあると、そこでさらに致命的な手遅れが起こりかねません。

 上司の振る舞い一つのことですが、それだけでもこんなコミュニケーションエラーが起こってしまいます。十分に注意しなければなりません。

 

 

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