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日経記事;『「EV、車産業に価格競争」 世界経営者会議で日本電産会長』に関する考察

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皆様、

こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

 

11月11日付の日経新聞に、「EV、車産業に価格競争」 世界経営者会議で日本電産会長のタイトルで記事が掲載されました。

 

本日は、この記事に関して考えを述べます。

 

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『第22回日経フォーラム「世界経営者会議」(主催=日本経済新聞社、スイスのビジネススクールIMD、米ハーバード・ビジネス・スクール)が10日、都内の帝国ホテル東京で開幕した。日本電産の永守重信・会長兼最高経営責任者(CEO)は「電気自動車(EV)の普及で、車産業は価格競争が起きる」と指摘。日本の自動車メーカーにも柔軟な対応を求めた。。。』

 

米国では大統領選挙がほぼ終わり、民主党の新大統領が誕生する見込みです。現在の大統領は、地球環境問題について関心がありませんが、新大統領は大きな関心をもっており、気候変動への対応を柱の一つに置いています。

 

また、日本の現政権は「2050年までに温室効果ガス実質ゼロ」を表明しています。欧州や中国も同様な環境対応を打ち出しています。

 

その中国では、国策として電気自動車(EV)の開発・実用化と、水素燃料関連技術の開発・実用化を加速させています。

 

地球温暖化対策の切札となりますのは、二酸化炭素(CO2)排出量削減です。自動車の分野では、CO2排出を抑える切り札は、EVになります。しかし、EVは搭載される電池の製造過程で排出されるCO2が多いとの指摘があり、必ずしもトータルな意味での環境対応車とは言えないようです。

 

究極の環境対応車と言われるのは、水素燃料電池車になります。現在、標準的なガソリンエンジン車を使用している一般的なユーザーが、手ごろな価格で水素燃料電池車を購入できるのは、水素ステーションの普及も含めて、まだ先になりそうです。

 

従って、各国政府は当面の環境対応車として、EVの普及促進を進めることになります。EVの主要部品は、製造コストの視点からは電池になります。日本電産の永守さんは、EVの主要部品としてモーターと電池を挙げています。

 

EVの特徴は、ガソリンエンジン車と比べて自動車の構造がシンプルであることです。このことは、EVについては現在の自動車メーカーの強みの一つとなっている、ガソリンエンジン車の開発・製造ノウハウがほとんど必要ないことを意味しています。

 

つまり、既存自動車メーカー以外の企業が、EVの開発・実用化を進めることができます。米国のIT巨大企業であるグーグルが、開発・実用化を進めています自動運転機能付EVの開発・実用化がそれにあたります。

 

EVのハードウェアは、将来、動くパソコン、あるいはタブレット端末のような位置付けになると考えています。

 

上記永守さんの発言は、その前提でEVハードウェアの製造コストは安くなり、EVの販売価格は、現在の1/5になると言われていると考えます。

 

多分、トヨタ自動車のトップは、永守さんと同じ理解をEVに対してもっていると考えます。豊田さんは、現在の自動車業界を、100年に1度の大変革期であると理解しており、まだ余力があるうちに、いろいろな対応を行うとしています。

 

トヨタは、Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)といった「CASE」と呼ばれる新しい領域で技術革新が進む中、クルマの概念は大きく変わるので自ら自己変革を起こしています。

 

現時点でのEVの覇者は、EVの専業メーカーである米テスラモーターズです。テスラモーターズは、米国や中国市場でEVの売上を大きく伸ばしています。

 

トヨタが、今後、グーグルやテスラモーターズなどの新規競合企業との競争にどのような対応をしていくのか、大きな関心をもって見ています。

 

自動運転などの多機能のEV分野では、トヨタは1社単独で事業展開をできません。必ず多くのプレイヤーを巻き込んだオープンイノベーション;連携・協業(アライアンス)が必要になります。

 

トヨタが、今後他社とのオープンイノベーション;連携・協業(アライアンス)を巧みに活用して、自動車ビジネスを維持発展させて行くのか、注目しています。

 

よろしくお願いいたします。

 

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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