- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
カナダのCovid-19ケースは約260,000、死者10,553。
昨日の増加は、ケベック州1,397、オンタリオ州1,214、アルバータ727、BC589、マニトバ441など。
寒い冬が始まったカナダ、急激に悪化する第2波に襲われ、各州の政府は苦渋の決断を迫られています。
長引くパンデミックで疲弊した人たちがルールを守らず感染するケースが多発、また学校内での感染がもはや止められない規模になっています。
1.BC州新しい規制を開始
11・7(土)午後10時に発動された新規制は今のところは11月23日まで継続。
状況が好転しない場合は、長期化、あるいは更に厳しい規制も予測されています。
・人の接触は家族内だけに限定、それを超える集まりは禁止
・戸外やレストランでの集まりは禁止
・庭などでも家族以外との集まりは禁止
・不要不急の移動は避ける、特にMetro Vancouver(バンクーバーを含む周辺地域)への立ち入は極力避けること
・エクササイズのための集まりは禁止 (ヨガ、Fitness, ダンスなど)
・屋内でのスポーツ活動は禁止 (ボクシング、武道、ホッケー、バレーボール、バスケットバールなど)
・レストランには更に厳しい規制。守らない場合はTake Outのみに切り替えさせる
・学校については今の段階では閉鎖は見送り。 まずは学校を取り巻く環境に厳しい規制をかけ、それが有効に働くことを期待。
(感染数がこのまま増加し続ける場合は、学校閉鎖もあり得る)
2.BC州のCovid-19に感染している学校名公開サイト (余りの多さに衝撃です)
特にサレー市の学校の感染状況はますますの広がりを見せており、コントール不能の様相。
〈現在75校が感染)
3.かろうじて閉鎖前の高校では教育が機能不全
生徒たちの接触を避けるため、グループを構成しその中だけで行動させ、通常は8ヶ月で8コース(通年制)、または4ヶ月で4コースの履修内容をこなす制度(セメスター制)が大きく変化。
ほとんどの高校が4学期制(2ヶ月で2コースに集中)あるいは学区によっては8学期制(一ヶ月で1コース)という授業形態に移行。
無理やりの特急授業の中で置き去りになる高校生の能力が非常に心配されています。
“Information overload”と呼ばれ、余りにもたくさんの内容を短期間で詰め込むため、理解がないまま次に次に進む授業内容です。
ひとつの授業が一日に何度も行われ、復習をすることもなく次に次にと進んでいます。
生徒はついて行けていません。
"We do two, sometimes three lessons every day, and so it's a lot harder to process one thing and then move on to the next thing."
Grade12の生徒「理解なんて無理。とにかく大学のためにいかにAを取るかだけに集中しないと。」「とにかく学ばないといけない情報が多すぎて不可能。」
このような授業が続くと、基礎知識が欠けたまま大学に進む状況となり、大学に進んだ生徒には大きな困難が予想されています。
"The truth of the matter is they're not covering nearly as much of the subject content. And over time, that tends to degrade the quality of education,"
教育専門家のことばです。「生徒がついてこれないため、教師たちは実は教えるべき内容をほとんど削ってしまっています。これは今後将来に向けてのカナダ教育レベルの大きな低下をもたらす。」
疲れ果てた高校生のことば
「本当は楽しい高校生活が惨めな学校経験となってしまっている。インターアクションもないし、まともな教育もない。『社会から忘れられた存在』の気がします。」
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先日のカナダ情報コラムにも反響をいただきました。
未だカナダでこんな高校留学を続ける日本人未成年がいることに衝撃を感じると同時に、心が痛いです。
わざわざ「忘れられた存在」の仲間入りをするために留学している子どもたち。
また、こんな中に未だに高校生を送り込む強欲なエージェントがいることにも大きな危機感を持っています。
「渡航中止勧告中のカナダに未だ未成年の高校留学生を送り続けるエージェントがいるのはなぜ?」
自身の将来を決める教育がほとんど行われていない現在のカナダ、ましてや英語レベルの低く精神的にも幼い高校留学生には対処出来る環境ではありません。
一体どんな理由が命や健康より大切なのかを、そして10代後半の教育がいかに人生を決めてしまうかも、もう一度熟考することを心よりお勧めします。
「ワクチンを期待しているって?」
仮に2021年のどこかで利用可能になった場合でも、外国人である留学生の優先準備はかなり低いでしょう。
日本国籍を持つ高校生が母国日本でワクチン接種の順番を待つのとは、全く異なるはず。
それは考慮していますか?
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このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
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カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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