- 寺岡 孝
- アネシスプランニング株式会社 代表取締役
- 東京都
- お金と住まいの専門家
-
03-6202-7622
大阪の投資マンション購入はリスクが大きい??
実情は東京よりかなり厳しい??
当方に相談に来られたあるサラリーマン。
住まいは関東地区で大阪のワンルーム投資マンションを複数戸買わされたとのこと。
具体的な話を聞くことこうだ。
そもそもは電話セールスで話を聞いてしまった。
大阪はこれから不動産投資では儲かるとの聞き、具体的な話を聞くことにした。
進められた物件は市内の中心地で入居者の需要が途切れない、絶対にいい物件だし価格も安いから購入しても損はない等々、いろいろとで言われ購入することに・・・
1戸契約すると、その直後にもう1戸買った方がいいと同じマンションの別室を勧めてきて、2戸の方がより収益がいいといわれ、結局2戸目も購入する羽目になった。
ここで、ふと本当に不動産投資でいい内容なのか?疑問に思いネットで検索すると、出て来るわ、ネガティブな話ばかり。
そうこうするうちに3戸のセールスが来た。
さすがに、怪しいと思い低調にお断りするが、かなりしつこくさすがに切れたと・・・
その後に当方に相談。
物件の詳細を見ていくと内容はいいとは言えなかった。
また、現場に行ってみると50M先には新築のワンルーム100戸建築中の現場や既存のワンルームマンションが相当数ある。
これでは、とても入居者募集に苦戦することがよくわかる。
需要は少なく供給過多なワンルーム事情
大阪市内の人口動態。
令和元年11月に大阪市から発表された「大阪市の推計人口年報」を見てみよう。
例えば、平成21年の大阪市内の総人口は約266万人、10年後にどれだけ増減があったか?
10年後の令和元年の総人口は約274万人。
10年間で約8万人しか増加していないのが実態で、年換算すれば8千人程度しか増えていない。
そんな市内の実情に反して、投資マンションが多くある中央区で100戸や50戸のマンションがバンバン建築されれば供給過多になるのは周知にとおりだ。
まして、既存の物件も存在する訳だから入居者探しには到底苦労する結果になる。
そんなエリアだから新築物件の入居を埋めるために賃料は中古より安くせざろうえない。
敷金ゼロ、礼金ゼロ、退去時の現状回復はクリーニング代の30,000円のみ、こんな募集広告は大阪市内では当たり前になっている。
東京エリアでは考えられない。
ところが、大阪の不動産投資はあべのハルカスや梅田の再開発で人か増えているとか、カジノが来るとか万博があるなど、賃貸需要がどんどん増えるといういい話ばかり聞く。
ようやく梅田の再開発が進展し始めたが、未だに新梅田シティやウェスティンホテル大阪あたりまで行くにはほど遠い感がある。
当然、カジノや万博は未知数だ。
こうした背景を鑑みて投資対象になるかどうかはよく検討する必要があるだろう。
ワンルームの価格は安い??
で、実際の状況を見てみよう。
1R、1Kで価格は新築や築浅で1,500万から1,700万円、その賃料は良くて70,000円前半、年間で80万円程度の家賃収入。
表面で4%程度の利回りに行くかどうかだ。
これに管理費や修繕積立金、固定資産税など経費を差し引き、さらにローンの返済を考えると手残りの金額は年間で数万円から数十万円しかない。
まして、フルローンの借り入れであれば赤字で持ち出しとなる。
これでは、意味のない投資になってしまう。
大阪の賃貸事情は厳しい
大阪の賃貸専門の不動産業者に聞くと、入居募集、特に中古で空きが出ると新たな入居者を探すのに一苦労するという。
それは、新築が建ちすぎてしまい、そこに来て入居者がいないので賃料を下げていく、で中古にいる入居者は更新時期がくれば、新築に移り住むというジプシーのような賃借人が増えている。
また、コロナ禍で実家に帰るとか安い物件に転居するなど、空室は増えるばかりだ。
例えば、市内中心部のマンションで、総戸数100戸程度のマンションで10戸以上の空室が出ている物件もある。
確かに、更新の際には更新料や礼金を払う必要があるが、新築に移れば家賃も安くなり更新料など費用を払わずにすむわけだ。
こうしたサイクルが日常化しているので、古い物件のオーナーは賃料下落や退室時の現状回復費用の負担で儲からなくなっている。
そんな環境でいざ売却となれば、安価な金額でないと売れないという悪循環が起きている。
人口減が今後進むにつれ、こうした負のスパイラルに巻き込まれると、いわゆる負動産投資になってしまう。
不動産業者の話や投資を促す書籍に惑わされることなく、冷静な目で投資物件見極めることだろう。
■大阪の投資マンションに関するご相談はこちら
大阪圏の投資マンション売却
電話:03-6202-7622
メール:info@anesisplan.co.jp
このコラムの執筆専門家
- 寺岡 孝
- (東京都 / お金と住まいの専門家)
- アネシスプランニング株式会社 代表取締役
「納得」と「安心」の住まいづくりを中立的立場でサポートします
生涯に一度とも言える住宅建築や不動産購入の場では「失敗したらどうしよう」と不安に思う方が多いものです。お客様が「夢」を安心して実現できるよう、業界での30年以上の経験を活かし、「納得」と「安心」の住まいづくりを中立的立場でサポートいたします。
このコラムに類似したコラム
【サラリーマン大家必見!】「投資用不動産を売りたい?!」 と思ったら読む本 寺岡 孝 - お金と住まいの専門家(2019/05/22 13:00)
投資マンションにカモられてサラリーマン大家にはなれなかった人たち 寺岡 孝 - お金と住まいの専門家(2018/12/25 09:00)
投資マンションを買ってもサラリーマン大家にはなれない! 寺岡 孝 - お金と住まいの専門家(2018/12/18 12:00)
【2/23の祝日開催】投資マンションの購入・売却 個別相談会 開催! 寺岡 孝 - お金と住まいの専門家(2024/02/16 10:00)
頭金ゼロ円で投資マンションを買ってFIREになれますか?? 寺岡 孝 - お金と住まいの専門家(2023/05/30 16:00)