社内事情でも意識しなければならなくなった「社外からの目」 - 各種の人事労務・組織 - 専門家プロファイル

ユニティ・サポート 代表
東京都
経営コンサルタント
03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:人事労務・組織

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

社内事情でも意識しなければならなくなった「社外からの目」

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 人事労務・組織
  3. 各種の人事労務・組織
社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 お勧めの取り組み

 人事制度のような仕組みを作る上で、当然ですが重視されるのは社内の事情です。その制度で従業員満足は高まるのか、生産性は上がるのか、業績は向上するのか、社員のやる気は増すのかなど、制度の検討過程でいろいろ議論されますが、あくまで社内で起こる範囲のことです。

 

 しかし、最近はそんな社内事情にとどまることでも、「社外からの目」を意識する企業が増えてきました。

 例えば、「実力主義で30代の課長が○人いる」「女性が働きやすい職場で、育児休業の取得者が○%である」などと、ホームページなどで断片的に掲載されていることがありますが、若い課長がいるから実力主義とは限りませんし、女性が育児休業を取るから働きやすいとも限りません。

 

 そもそも実力主義には、ギスギスした個人プレーのイメージもありますし、育児休業にしても、復職の状況はどうなのか、それに向けたサポートはあるのか、さらに男性はどんな状況かなど、関連する要素はいろいろあります。

 これを「社外からの目」で見たときは、疑心暗鬼がうまれてしまうので、必ずしも良いブランディングにはなりません。

 

 今までであれば、社員は内輪の論理で抑え込み、社外にはおいしいところだけを選び出してアピールしていれば、それで済んでいたようなところがありますが、最近はこういう社内制度も企業ブランディングに利用する動きが盛んになっています。

 先に挙げたもので言えば、実力主義の中身を吟味して、社外からもわかりやすい仕組みと運用を進める、育児休業の仕組みと運用を見直して、社外からも評価されるような実績を作るといったことです。

 

 社外から「いい会社」と見られれば、社員はプライドが満たされ、良い口コミが増え、優秀な人材の定着率は上がり、当然会社のブランド価値もアップします。社内の取り組みであっても、それが誰から見ても良い物であれば、そこに社外の目を巻き込むことで相乗効果が生まれます。

 

 ある会社では、育児休業からの復職100%を目指した取り組みをして、その達成を広報することで、子育て世代の女性からの応募が増えました。

 またある技術系の会社では、柔軟な勤務体系を導入し、その実績を社外に見せていくことで、優秀な技術者の入社が増えました。

 こんな「社外からの目」を意図的に活用するために、他社の社内制度に関する調査をおこない、あえて先進的な仕組みを導入して実績を作ろうというような会社も出てきています。

 

 人事をはじめとした管理部門では、自社のこと以外への感度が少し鈍い傾向があります。社外の情報収集は私たちのようなコンサルタントがよく支援する部分ですが、自分たちがやっている社内活動が、対外的な企業ブランディングに関わっていることを意識しなければならない時代になっています。

 

 内輪の論理ばかりを重視したり、社内調整ばかりに力を使っていたりするようでは、いつの間にか時代から取り残されてしまうかもしれません。

 

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 経営コンサルタント)
ユニティ・サポート 代表

組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。

03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

カテゴリ 「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム

カテゴリ このコラムに関連するサービス

対面相談 【対面】「活気がない」「やる気が出ない」職場活性化を考える

当事者では気づきづらい組織風土の問題をアドバイス。同テーマ商品の対面相談版です。

料金
6,000円

「今一つ元気がない」「何となく一体感がない」など、職場の風土や雰囲気に関する悩みについては、当事者しかわからない事情とともに、当事者であるために気づきづらい事もあります。これまでのコンサルティングで、活気を維持する、活気を失う、活気を取り戻す、という様々な事例、プロセスを見た経験から、会社状況に合わせた原因分析、対策をアドバイスします。(同テーマのメール相談を、より詳細に行うための対面相談です)

【対面】「活気がない」「やる気が出ない」職場活性化を考える

このコラムに類似したコラム

その「報告書」「社内資料」「会議」は本当に必要か? 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2021/11/18 07:00)

「強制」にならないように工夫する会社が伸びている 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2020/11/24 08:00)

「提案してこない」はそれを聞く側にも問題がある 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2020/10/27 08:00)

「できるだけ制度化」という会社と「制度はいらない」という会社 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2020/09/08 08:00)

「認められるにはアピールが必要」という話 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2018/07/24 08:00)