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寺崎 芳紀
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閲覧数順 2021年09月26日更新

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公定価格である「介護保険」①

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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。


介護について少しでも見識のある方であれば、ご存知の話かもしれませんが、介護サービスは基本的に公的保険になります。

一部、保険外のサービスも存在はしますが、一般に介護サービスというと「介護保険によるサービス」という位置づけになります。


業界の関係者に言わせれば、「何を当たり前なことを言っているのだ」と叱られそうですが、深い意味がここにはあります。


介護保険サービスの財源は、保険料と税金です。「公費」と言ったりします。

この枠組みの中で、詳細な基準が定められ、報酬額が細かく設定されているのです。


介護報酬と自己負担分、これはイコール事業者の「売上」です。

先ほど、報酬額が細かく設定されていると申し上げましたが、これはまさしく「公定価格」です。

要するに、介護保険サービスの報酬はすべて国が定めた基準に基づいているということ。

公定価格ですから、自由な価格設定は許されません。


国が定めた基準ですから、事業所として最低限の基準を満たして運営され、相応にご利用者様が確保されていれば、手堅い商売であると言えます。

何より、売上の7割~9割は、介護報酬として保証してくれるのですから、非常に手堅いビジネスであります。あとは、ご利用者様からの債権が滞らないように管理すればよい。簡単にはいかない部分もありますが・・・


しかし反面、自由度が非常に少ない。

介護事業者の収入は、アッパーがおのずと決まってきますので、なかなか融通が利きにくい。

普通に実績を積めば、利益は出る商売である一方で、例えば何かに投資をしようと思っても難しい。


実際、厚生労働省が行う「介護経営実態調査」で、一定以上の利益が出ているサービスがあれば、そこを次回報酬改定で狙い撃ち。下手をすれば報酬が下げられてしまう。


公的保険ビジネスですから、ある程度はやむを得ない部分もある中で、頑張って稼働率を上げて利益を上げても、それが報酬減の材料にされかねない。非常にやるせない。


一番厳しいことの一つに、公定価格であるゆえに、介護職員の給与がなかなか上げにくいということが挙げられます。


売上のアッパーが決まっているため、その範囲でしか伸びしろありません。

介護職員が一般の業種に比べて、著しく給与水準が低いという話は、今や多くの方が知っています。

国も、そのことは一応重く見て下さっていて、(特定)介護職員処遇改善加算を拡充したりしてくれていますが、それでも十分ではない。


公的保険だから仕方がない部分はあるのですが、職員の給与を、事実上国が決めているというこの現状・・・私はやるせない気持ちでいっぱいになります。


公的保険で運営しているサービスの中で、介護以上に馴染みがあるものの中に「医療保険」があります。

診療報酬は2年ごとに改定されますが、改定されるたびに医療機関は一喜一憂されます。

それは、介護保険サービスも全く同じです。


しかし医療機関の場合、診療報酬が安過ぎるがゆえに、医師をはじめとする従事者の給与水準が低いという話にはなりません。

現場では、いろいろ意見や反論もあるでしょうが、少なくとも従業者の給与水準全般について、介護業界のような切実な話にはなっていません。


なぜ、同じ公定価格設定であるにもかかわらず、これほどまでに医療と介護では状況が異なるのでしょうか。


介護給付費分科会の委員の先生方には、どうかこの大前提(敢えてこのように申し上げます)について、真剣にお考えになっていただきたい。


「医療は介護とは違うんだよ」「医療の方が過酷だ」「医療保険は扱うサービスの内容も質も介護とは決定的に異なる」等、いろいろ意見はあるでしょう。

しかし、診療報酬においては現場の給与面の問題にほとんど及ばないのに、なぜ介護の給与問題は制度開始20年が経過しても一向になくならないのか・・・


これを、介護と医療が違うと十把一絡げにしてしまっては、永遠に解決できません。

「医療と介護の連携」なとど声高に叫んでも、様々なギャップは永久に埋まりません。


個人的には、介護事業者が「介護保険ビジネス」のみに選択集中することへの限界が、完全に慢性化しているように思えてなりません。


この続きは、次回に・・・

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(東京都 / 経営コンサルタント)
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有料老人ホーム施設長・訪問・通所介護管理者・老健相談員、事業所開発等の経験を活かし、2007年7月に弊社を設立しました。介護施設紹介サービスをはじめ、在宅・施設介護事業所の開設・運営支援・実地指導対策支援を行っております。

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