そしてこの義務は契約上従業員が 当然に負う義務 とされており、同業の週末起業がたとえ私生活上行われるものであるとしても契約違反となり、また実際に会社の営業秘密を持出し利用するような態様で行われた週末起業の場合、今度は
不正競争防止法
【関連コラム】 http://profile.ne.jp/pf/ysc-kaigyou/column/detail/8387
違反が問われるリスクも考慮しなければなりません。
会社の利益を損なう態様での競業はもはやQ&Aのケースの(2)で保護されていた 私生活の自由 という権利を背後に後退させてしまう、つまりプライベートな時間なら何をやってもいいという意味ではないということです。 当然と言えば当然ですよね。
ではまとめてみましょう。
法的なアプローチ から、今回のテーマ 週末起業 での ''兼業'' については、
異業種
であれば、「業務への支障がない」ことを前提に一定範囲での兼業は 「許容」
同業(競業)
なら「労働契約上の義務違反」となり会社から何らかのペナルティ(場合によっては「懲戒解雇」)を課せられ、程度によっては民事責任のみならず、刑事責任まで追及されるおそれがある、よって 「不可」
ということになるかと思います。
Q&A冒頭でもふれた通り、世の中の流れ的には二重就業が許容される方向に向かっていることは確かです。 しかしやはり「やり方」を見誤っては思わぬ落とし穴にはまってしまいます。
二束のわらじ
もその「サイズ」・「ブランド」・「履き方」に充分注意が必要ということになります。