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あいまいになりがちな「人事の課題」

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験

 私がコンサルタントとして取り組む仕事は、企業の人事戦略や人事施策、人事制度や人材採用を、企業の方々と一体になってご支援することですが、ご依頼をいただくからには、会社としての何らかの課題があるわけです。

 

 例えば「今の人事制度がうまく行っていないので変えたい」などと言われますが、何がどううまくいっていないのかを尋ねると、「業績の伸び悩み」「退職者が増えている」「社員のやる気がない」「社員の能力が伸びない」「会社の雰囲気が悪い」などという話が出てきます。

 

 そういうことが起こっているのは間違いないと思いますが、挙げられている内容で、“業績”と“退職者数”以外は、数字で表現できない感覚的なものです。

 さらに、業績と退職者数に人事の課題が関係していることはわかっても、それがどの程度の比率や数で影響しているのかは、やはりはっきりとは表現できません。

 

 これは私がかつて企業人事にいた経験からわかることですが、人事にたずさわる人間は、物事を数字ではなく感覚で捉える傾向が、往々にして強いところがあります。

 仕事の対象は「人」が中心にあり、それは千差万別で一言では言い表せない存在であり、そんな感覚が染みついていることがあるように思います。

 これは、経営者や管理者でも、一人ひとりの日常に目が届くような規模の組織の場合は、同じような傾向があります。

 

 やる気、能力、雰囲気などは、人事の課題として重要なので、そこに目が行くのは当然ですが、それを表現しようとすると、どうしても主観に陥りがちな部分であります。また、何か具体的に表現しようとしても、データ自体が整理されていないことも多いです。

 結果として、人事の課題に対する問題把握があいまいになり、効果的とは言えない対策が打ち出されることも少なくありません。

 

 最近の人事の世界的な傾向は、脳科学や心理学、統計学といった科学的知見を活用して、感覚値や経験値で語られていたあいまいな部分を、できるだけ可視化していこうという動きです。

 日本の企業でもどんどん進んできている動きで、様々なアセスメントツールを使ったり、アンケートや面談などで継続的な調査を行ったり、その他データ収集と整理をしています。これからは意識していくべき取り組みでしょう。

 

 ただ、これらを実際にやろうとすると、その労力や費用は結構大きなものになります。

 アセスメントツールといっても、結局はいくつかの類型に当てはめて、それに合わせた対処をしていこうとすることなので、大企業のように豊富なスタッフがいれば別ですが、何でもかんでもできる訳ではありません。データの読み取りや活用には、それなりのノウハウも必要ですし、それを自社で実行できるとは限りません。

 よく聞くのは、課題指摘には納得できるし正しいと思うが、自社の環境ではできそうにないという話です。素晴らしいレポートをもらったが、どう活かしてよいかがイメージできないなどといいます。

 

 人事の課題は、感覚だけにとらわれずに、あいまいさを排除する意識を持ちながら、まず初めは“できそうなことをできる範囲から”という形が良いと思います。

 

 

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