- 増井 真也
- 建築部門代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
関東地方の場合、ローム層という赤土の層があるかどうかというのがひとつの目安になるでしょう。このローム層というのは火山灰が堆積した地層ですが、支持地盤としては大変強い強度を持ちます。高台の土地の場合はたいていこのローム層が出ることが多く、地盤が良いことが多いようです。またこれも良く聞く話ですが水にかかわる漢字を使っている地域はあまり地盤は良くありません。ちなみに川口市も非常に軟弱地盤です。
住宅を建てる場合は木造の場合はスウェーデン式サウンディング試験、そしてコンクリート造等の重い建物の場合はボーリング試験というものを行います。ボーリング試験は非常に高額ですが、実際の地盤サンプルを採取するため非常に正確なデータが得られることから、重い建物ではこちらを採用することになっています。
次にその結果を得て杭工事や地盤改良を設計します。木造の場合は柱状改良や鋼管杭などを利用すればそれほどのお金を使わなくても改良工事をすることが出来ます。しかし、重い建物の場合は支持層まで杭を築造しなければならないこともあり、その場合は1000万円単位の非常に高価な杭が必要になることもあります。実際に川口市内でコンクリートの住宅を建てようと土地を購入した方が、この杭の値段を見てあきらめて土地を売却してしまったこともあるくらいです。購入前に地盤調査をすることはなかなか出来ないとは思いますが、近隣地盤データであれば役所や調査会社にある場合が多いので、そういうものからある程度予想することも必要かもしれません。
お金をかければ出来ないことはないですが、お金をかけないでつくりたいのは誰でも一緒です。特にコンクリートの住宅を作りたい場合は、なるべく良い地盤を安く買う、これを心がけたいものです。