本日のコラムでは、"事業計画"のタイトルのもとに、"事業計画をどのようにして作成していくのか"、主要ポイントをシリーズ化して以下の項目について説明していきます。
今回は、その第1回目として、"何故、事業計画が必要なのですか"のタイトルで、事業計画を何故作る必要があるのか、について述べます。
一般的に、事業計画に関心を持つ人たちは、以下の方々と推測いたします。
・これから起業を目指している方
・事業アイデアをお持ちだが、今後2〜3年くらいの間に起業したいと考えている方
・ベンチャー・中小企業で新規事業の計画を作りたい方
・ベンチャー・中小企業で資金を金融機関などから融資を受けるための事業計画を作りたい方
・ベンチャー・中小企業で更なる売上げ拡大を目指している方、など
私自身も、100以上の事業計画や経営計画などを作成してきました。
例えば、新規に起業する人にとって、事業計画は今後の自分の事業を具体的なものにする為の"道しるべ"になります。
"起業したいと思い=アイデア"を持つ人が、自分の思いを実現するための"道しるべ"が事業計画です。
思いだけでは、起業は実現しません。
"道しるべ"という意味は、事業の思いやアイデアをベースに考えた基本的な考えを、具体的に"自分の言葉"で文章や数値に落とし込み、且つ、それらの計画や数値を実現するための実行計画を含んだものを言います。
アイデアを実行可能にする事業計画が具体的になればなるほど、起業後の成功が高くなる、事業の継続・拡大が可能になる、傾向が強いと言えます。
起業した後は、その会社・企業の事業を維持・発展させていく必要があります。
この事業の維持・発展を実現していくためにも、その実行プランを明確化・具体化した形で事業計画に盛り込んでおくと、"起業後の経営活動の道しるべ;指針"となります。
ここでちょっと視点を変えて、事業アイデアと実現性の関係について考えます。
一般的に、アイデアの新規性が高ければ高いほど、実現性は低くなります。言わば、新規性と実現性はトレードオフの関係になります。
世の中にない新しいものを提供したければ、理想は高くなり、その実現性は低くなります
この"新規性と実現性"のギャップを客観的に認識し、新規性を持つ事業アイデアを実行可能、或いは、実現可能なものにする橋渡しも、事業計画作成の目的の一つになります。
この思考過程は、言わば、"事業"の生みの苦しみになります。
いっぺんに新規アイデアを実現できなくても、実現するためのアクションをステップバイステップで積み上げていく行動計画も事業計画に含まれますので、自分自身の道しるべとなるだけでなく、支援者や融資先などに当該計画を説明するためにも有益です。
以下、事業計画を作成する目的をざっと一覧にしてみました。
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作成目的 使用目的
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自社のために
・起業決断
・自社の身の回りの整理
・自社事業の検討
・客観的評価
・市場・競争環境の整理
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説明のために ・支援者、協力者の理解、信頼獲得
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理解を得るために
・取引先の獲得
・投資家からの出資獲得、資金調達
・金融機関からの資金調達
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自社経営のために
・計画と実績の対比と問題点の把握
・他経営陣、従業員との目標共有
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今回は、ここまでとします。
私のコラム記事についてコメントやご質問があれば、何時でもご連絡ください。お待ちしています。
今後ともよろしくお願い致します。
“グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁”
このコラムの執筆専門家
- 山本 雅暁
- (神奈川県 / 経営コンサルタント)
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上
起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。
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