- 茅野 分
- 銀座泰明クリニック 院長
- 東京都
- 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医)
-
03-5537-3496
「薬物依存症」とは
「慢性疾患」:高血圧や糖尿病と同じ。「治癒」することはないけれど「寛解」する疾患です。しかし米国では入院患者の75%が1年以内に再発するとのこと。生活習慣病とは異なり容易に「寛解」に至る疾患でありません。
「薬物依存症」とは「脳と心がいつも薬にとらわれている」「ハイジャックされている」状態とも言われています。このため薬物から「離脱」するためには「精神科病院」へ「入院」するほど「隔離」「収容」を必要とすることも少なくありません。「離脱期」「急性期」は「せん妄」という「幻覚妄想を伴う意識障害」を生ずる時もあります。はじめ抗精神病薬を主に用い、1-3ヶ月間かかります。
離脱後は「やめ続ける」ことです。上記のとおり、薬物依存症は「治癒」することなく「寛解」する疾患ですから、「もうやめた」「もう治った」とは思わず、「いつまでもやめ続ける」という気持ちでいることが重要です。
そのためには
1. 長く継続すること
外来治療にて十数回以上のプログラムが有効
プログラムの質より量、継続性、一生通い続ける意志が必要
2. 頻繁に実施すること
週2-4回が有効、理想的には隔日
3. 否認や抵抗と闘わないこと
「治療を受けたい気持ち」と「受けたくない気持ち」の両価性を理解する
最近流行している「動機づけ面接」手法、Risk/Benefit, Cost/Effect
4. ワークブック&グループワーク
薬物依存症の理解
自分の家族歴・生育歴・性格などの理解
対処行動の向上・認知行動療法への発展
「いい放し・聴き放し(A.A.スタイル)」
「次回の参加を待っている(欠席者へメッセージ)」
週1回・尿検査(抜き打ち)
このコラムの執筆専門家
- 茅野 分
- (東京都 / 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))
- 銀座泰明クリニック 院長
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