しのぶ皮膚科に来られる方で、シミをなんとかしたいというお悩みは本当に多いのですが、そもそもシミってなぜできるのかご存知ですか
実はシミと一口に行っても、いくつかの種類があり、なかでも圧倒的に多いのは、2つです。
ひとつは、メラノサイトという細胞が作るメラニン色素が増えてできるもの。歳を重ねると出てくる「老人性色素瘢斑」というシミのほか、そばかすもこのタイプに入ります
もうひとつは、ホルモンのバランスからおこる炎症。かんぱんはこちらです。かんぱんは刺激によって濃くなるのですが、頬骨のあたりにできやすいのは、太陽の刺激を一番受ける部位だからです。頬骨って顔のなかでもっとも高いので、紫外線が当たりやすいんですね
かんぱんはレーザーでは治りません。それどころか、レーザーが刺激となって悪化してしまうことが少なくありません また、洗顔の際に強くこすったり、マッサージや美顔器による刺激もNGです。ハイドロキノン・トレチノインを根気よく塗り続けることで、少しずつ治っていきます
さて、ではかんぱん以外のシミについてですが、メラノサイトはなぜメラニン色素を作ってしまうのかというと、それにはちゃんとした理由があるんです
私たちの体は細胞でできています。その細胞一つひとつのなかに、核と呼ばれる部分があって、そこには、遺伝子情報が入っています。この核が紫外線などによって傷つくと、がんなどの病気になってしまいますそこで、メラニンが帽子のような役割をして、紫外線がこれ以上核を傷つけないように守ってくれているというわけです
メラノサイトって、アメーバとかヒトデのような形をしているのですが、それが、ひょいっと手を伸ばして、細胞の上にメラニンをかぶせていくんですよ
私たちはシミができると嫌だなあと思いますが、この仕組みのおかげで、皮膚がんにならずにいられることを考えると、メラノサイトとそれが作り出すメラニンに感謝しなければいけないんですね
※しのぶ皮膚科では、シミ治療のひとつとして、トレチノイン、ハイドロキノンを取り扱っています。ご希望の方は窓口で相談ください(基本的に受診が必要となります)。
しのぶ皮膚科
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このコラムの執筆専門家
- 蘇原 しのぶ
- (東京都 / 院長 皮膚科医)
- しのぶ皮膚科 院長 院長
皮膚科医だからこそ提供できる質の高い美容医療を
皮膚科・皮膚外科歴15年。 ヒアルロン酸、ボトックス治療に造詣が深い。 オールアバウト美と健康のガイドでもあり、執筆、テレビ、ラジオ、などのメディア活動も精力的にこなしている。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会認定医。