- 増岡 健司
- 医療法人社団 MEDIQOL 理事長 歯科医師
- 東京都
- 歯科医師
対象:一般歯科・歯の治療
- 赤岩 経大
- (歯科医師)
- 赤岩 経大
- (歯科医師)
虫歯(Caries)は、歯の表面のエナメル質が酸によって溶かされるC1 から始まります。症状が進行するにつれてC2,C3,C4 という記号で表されます。学校の歯科検診などで、歯科医師の先生が「左上奥からC1,ずーととんで…」と言われているのを思い出してください。
それは、次のように説明できます。
C1: 表面のエナメル質が溶けはじめた、最初の段階の虫歯。ほとんど痛みは感じず、冷たいものがしみることがあります。
C2: 虫歯はエナメル質の中にある象牙質に達しています。象牙質はエナメル質ほど硬くないので、進行は早く、侵された穴が歯髄(神経がある箇所)に近づくにつれて冷気や冷水がしみます。
C3: 虫歯が歯髄まで達し、大きな穴があいている状態です。歯髄炎をおこしているため激しく痛み、さらに炎症が進行すると歯髄が死んでしまいます。
C4: エナメル質で覆われている部分はほとんどなくなり、根だけが残っている状態です。歯髄が死んでいると痛みは感じませんが、根が化膿したり、腫れたりします。
これらの場合には、菌に侵された箇所を再度の虫歯予防のため、やや大きめに削ったり、詰め物で補って治療します。
現在、C1 の前のエナメル質の表面がわずかに白濁している状態に対して、“CO”という表現が用いられるようになりました。
“O”はゼロでなく、オブザーべ一ション(Observation)・観察ということで、削らないで観察するということです。
近年の研究結果から“CO”の状態であれば、正しい歯磨き方法・食習慣、唾液の効用などでエナメル質が元に戻れる(再石灰化)ことが解明されてきました。ただ、この“CO”は自覚症状がなく、自分で見分けることが難しいものですから、歯科医師の先生によってチェックしてもらう必要があります。やはり、定期的に歯科検診を受けることは重要になります。