北海道の雪深い実家をリフォーム (ご質問内容↓)
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10210525255
今週、旭川~士別に出張してまいりました。
夏の道央は気候も良く、過ごしやすいですね。
一方で、3年前の冬に行った旭川市内
士別においては除雪がないと屋外の道路位置が分からないほどの積雪でした。
最近の北海道では冬季 マイナス25度以下になる日は少なくなり徐々に暖冬の傾向にあるようですが、本州のようなオール電化住宅でのエアコン暖房は効き目が無く、大半のご家庭で化石燃料の「石油ヒーター」をご使用されていますね。(画像は士別駅の屋外灯油タンク)
ご質問内容についてですが、先ずポイントとなる事項として
1.築55年の平屋建ての上に45年前に総2階の増築をされたこと
2.1階北東角の和室がカビ臭がすること
3.今後20年は持たせたいこと
4.使用されるのは年間2か月程度ということ
が挙げられ、2社のリフォーム見積もりにおいて断熱材の見解の違い(部分的だけか全体を交換するか)があるという事ですね。
築55年ともなると、寒冷地ですので本州では考えられないほどの家へのダメージを受けており、特に当時設置された断熱材の効果があるのか疑問です。
また、既にカビ臭のする部屋の壁内部や床下は断熱材自体が水分を含んでしまってカビている恐れもございます。
(先出の石油ヒーターは室内に水蒸気を発生させ、結露の原因になっています)
今回のリフォームで水周りの設備機器と外壁・屋根の全面張り替えをされるという事で、外壁を剥がした時点で「断熱材」と「梁・柱」の傷み具合を確認し修復するのが確実な方法です。
(※断熱性能のみ上げても実際は気密性にも室内環境は左右されます。北海道では窓からの熱損失防止で2重サッシが一般的になってますね)
外周部において筋交いや透湿防水シートと内部の石膏ボード間に、当時の断熱材(おそらくマット状)が入っていると思いますが、今後20年持たせることを考えれば外断熱で家全体をカバーする手法が、リフォーム予定のない玄関ホールやリビングなどの壁断熱も変更できるので有効だと思います。
特にカビ臭のする和室は、せっかくの大規模リフォームなので徹底的に原因を除去すべきです。できれば24時間換気システム(北海道は外気を直接取り込まない第一種換気)を導入できれば良いのですが・・
また、断熱材に関しては北海道の断熱地域区分は1~2ですので、セルロースファイバーなど材質に拘られる前に、改修後のQ値(熱損失係数)を計算した上で断熱等性能等級4(平成28年省エネ基準)または断熱等性能等級3(平成4年省エネ基準)をクリアする厚み(密度)にされるのが一番だと思います。
リフォームのご予算で施工内容が左右されますが、せっかく外周部に足場をかけて大規模にリフォームされる機会ですので、お母様が設計された大切な家を長持ちさせて頂ければと思います。
ご参考になれば幸いです。
このコラムの執筆専門家
- 齋藤 進一
- (埼玉県 / 建築家)
- やすらぎ介護福祉設計 代表
子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅までやすらぎの空間を
医者に外科・内科等があるように、建築士に介護福祉専門家がいてもいいと思いませんか?人生100年時代を迎えた今、子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅など終の棲家まで、ライフステージを考えた安心して暮らせる機能的な住まいを一緒に創りましょう
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