- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
小中高生の人気留学先1位はカナダだと、留学ジャーナルがまとめています。
社会・政治・経済情勢、人種差別の度合い、移民難民などに対する開かれた姿勢、そして何よりもその教育制度の自由度とレベルの高さから、これは当たり前のことだとカナダからお墨付きを出しておきたいと思います。
ただし。
カナダの社会・政治・経済情勢をよく知り
人種差別についての認識も持ち
カナダの移民難民政策を知り
そして何よりもその優れた教育制度に入るための高い能力を持っていることが
「カナダ留学」への絶対必要条件であることも声を大にしてお伝えします。
昨日もコラムで注意換気させていただきましたが(「カナダ高校留学 - 2年で卒業出来るに騙された!相談の多さ」)高校留学してもお金と時間を無駄にしてしまったというケースが跡を絶ちません。
カナダという国の現実を知らずに、憧れやエージェントの勧めることを疑いもせずに高校留学してしまうという実態。
その疑いもせずまんまとエージェントや受入れ学区に騙され続け、大金を注ぎ込む親子への注意喚起と、1994年以来「高校留学の実態」をカナダから発信しています。
その集大成が「カナダ高校留学の実態」eBook、「カナダ高校留学受入れ教育委員会サーベイ」です。
「カナダに留学を!」と考えている親子には、留学を決める前に必ず目を通していただきたい資料です。
「留学前にこの情報を知っていたら。。。」というご相談が多いのも悲しいことです。
日本の急激な留学相談件数の増加は、「グローバル人材として活躍するために英語は必須だから」というのが一番の理由だそうです。
しかも、相談件数が一番増えているのは高校1年生というのが「非常に危ない」です。
「高校2年から留学し、2年後には高校卒業」という不可能な夢を、疑いもせずに信じていることが「非常に危ない」です。
地球規模で将来活躍するために必要な英語力は、高校に3年くらい留学しただけでは身につきません。
1年で短期滞在でも「英語が話せるようになる」ことを目的としている高校生が多いのにも驚きます。
将来グローバル人材として見なされる能力・資質を身につけたいなら:
1.高校時代は親元で親の良い影響をいっぱい受け
2.日本の高校で習う英語の文法を確実に理解し
3.日本で英語エッセイ、クリティカルシンキングの勉強をし
4.日本の高校での優秀な成績と
5.特別に訓練した高い英語能力を付け
6.例えばTOEFLiBT では少なくとも70に届く能力を持ち
7.グローバル人材予備軍として、胸をはってカナダの大学に留学
これがベストのルートです。
30年、日本からの優秀な留学生の支援をして来た経験と、カナダの教育制度を知る立場からの真摯な助言です。
確かに、日本の教育制度には大きな欠陥があります。
未だに丸暗記主体、クリティカルシンキングの無い化石のような教育です。
しかし、日本の学校においても学習能力が低く、それを教育制度のせいにした高校留学をすることは大きな大きな間違いであることを強く認識して下さい。
丸暗記主体であれ、日本の理数系の基本教育レベルは非常に高いです。
高校での理数系トップクラスの成績があれば、カナダの大学では成功率がかなり高くなります。
逆に、日本でも理数系で苦労している場合は、「留学」自体は砂上の楼閣と捉えることが必要です。
「簡単ですよ」「楽しいですよ」「みんな卒業していますよ」「すぐに英語がうまくなりますよ」のエージェントの大嘘に騙されないように。
最近特に、悪質なエージェントについての相談が増加中です。
そのうちまとめて公開する予定でおります。
留学フェアでにこやかに「うちの学区にいらっしゃい。フレンドリーで安全ですよ。」というカナダ受入れ教育委員会のセールストークに乗らないように。
精神的にもかなり幼い日本の高校生にとり、カナダは最近徐々に危険な状況になっています、残念ながら。
(トランプアメリカの憂うべき影響だと思います。)
これも避けるべき教育委員会はニュースが入るたびにコラムにて注意喚起しておりますので、気を付けておいて下さい。
冒頭でも述べましたように、カナダは今や世界の自由主義を牽引する魅力ある国です。
世界からの移民・難民で成り立ち、他民族文化のエネルギーには目を見張ります。
しかし。
先日のCBCが行った世論調査では、カナダの人の大多数が「難民の受入れを増やすべきではない」と考えていることも知っておいて下さい。
理由は「カナダが変わってしまうから」だそうです。
移民のひとりである私の反論は、「カナダの人は先住民族以外みんな移民・難民のルーツがあるのに、なんと身勝手な」ですが、外からの人間への排他感情が大きくなりつつあるカナダは悲しい現実です。
日本から来た英語も出来ない、勉強もわからない高校生に、カナダはそんなに親切ではないですよ。
留学ジャーナルの「留学相談件数増加記事」には、高校留学への否定的な要因は全く示唆されていないことも注目点です。
「留学を売って儲ける」=「真実は伝えない」の罠に落ちないよう、熟考していただきたい「高校留学の実態」です。
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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