- 中野 博
- 株式会社エコライフ研究所 代表取締役
- 埼玉県
- 経営コンサルタント
対象:ビジネススキル
PR:中野博の話し方教室のご案内。
http://www.seminars.jp/user/seminar_d.php?sCD=25012
中野博の話し方教室ブログ
http://blog.livedoor.jp/hiroshinakano/
聴衆を引きつける人と、引きつけない人との違い**
「同じ内容の話をしているのに、聞き手である聴衆を引き付ける人と
引き付けない人がいるのはなぜでしょう?」
有名人かどうか、と言う場合を除けば、答えは「エネルギーをもらえる人かどうか」
に尽きると言えそうである。
例えば、スピーチをする人が多いことで有名なロンドンのハイドパークの野外演説では、
この違いをまざまざと見せられる。
私がたまたま見学したところ、ある演説者のまわりには何百人ものひとが群がっているのに、
そのすぐ隣にはほんの数人だけと言うことがあった。
およそ、30分ほど聞いていたが、群がっている演説者の周りにはますます人が増え、
数人の演説者の周りにいたひとは、数分でその場を立ち去り、結局誰もいなくなるのだ。
これはいったいなぜだろうか?
話し手によって人の引きつけ方に違いがあるのは、
話題のせいだということだけで説明がつくだろうか?
答えは「いいえ」である。
私は、数人の演説者の話を聞き、その内容を聞いてみたが、正直言って内容は
むしろ数人しかいない演説者の方が良い内容であった時もある。
しかし、その話し方や雰囲気があまりそれ以上聞きたいとは感じさせないのだ。
そう、
エネルギーを感じないからである。
これに対して、群集とも言えるほどの人たちに囲まれている演説者は、
エネルギーを強く感じると共に、この人の話をもっと聞きたい、と思わせる話し方なのである。
私はこのことをロンドンで生活する友人と語り合ったところ、彼らも、
ハイドパークで大勢の人に囲まれている演説者には*「エネルギーの放散」
という共通点があると指摘した。
こうした原体験のみならず、心理学的にも人はエネルギーをもらえる人の話が
聞きたいと思うそうだ。
例えば、その話し手が自分のテーマに誰よりも興味をもっていて熱心に話すからおもしろい。
また、それを生き生きと熱心に語るからこそ、活力と生気を発散させ、
その結果、人の注意を引くのである。
エネルギーは聴衆を引きつける力なのだ。
人々はエネルギッシュな話し手、つまり元気が満ちあふれている人のまわりに
群がる傾向があることをまずここで覚えておこう。
あの小泉元首相が爆発的な人気を集めたのも、このエネルギーにあると私は感じている。
あなたもエネルギーをもらえる人の話であれば聞きたいと思うのではないだろうか。
もし、そう思うのであれば、あなたは聞き手に対してエネルギーを与える人に
なることがもっとも確実に上手く話ができる近道なのである。