おはようございます、今日は財務の日です。
財務という言葉も、実は意味が中々伝わりづらい言葉だよなぁ、と改めて。
節税についてお話をしています。
昨日は「相続税対策がうまくいった事例」についてお話しました。
次は大失敗の事例を。
「税金を安くしたい!」という近視眼的な目的のみに注目し、結果として親族が瓦解するような話です。
・親族は配偶者と子供C、Dの三人。Dは遠方に居住で、家族仲はあまり良くない。
・地域が都心で、土地が更地であるので、評価額は上昇気味。
・相続税対策として、借金をして土地の上に賃貸不動産を建設することにする。
・が、特に親族には説明無し。「税金が安くなるのだから文句はないだろう」くらいの感覚。
・実際に建設、数年後に本人が死亡。
・本人は特に自分の意図や意志は親族に何も説明していなかった。
・遠方のDは「遠方の不動産なんか、管理できないからともかくお金でほしい」と要求。
・しかし不動産建設を行った関係で、手元資金はそれほど残っていない状態。
・不動産を売却しようにも、まだ借金が多額に残っているので売買もままならず。
・配偶者およびCも、勝手をいうDに対して不満の感情が高まる。
・結局遺産分割がまとまらないまま時間だけが過ぎ、結局法廷へ。
・相続税の期限内申告もできず、期限後申告になったことで多額の税負担が発生。
これまた「ここまで駄目になるかなぁ・・・」という事例ですが。
ただ、悲しいことにこの手のお話は割と珍しくなかったりします。
御本人が良かれと思って実施した節税策が、結果的に親族の仲を更に悪化させました。
加えて、安くなるはずだった税金が結局高くつく羽目に・・・
いつもお読み頂き、ありがとうございます。
このコラムの執筆専門家
- 高橋 昌也
- (税理士)
- 高橋昌也税理士・FP事務所 税理士
「税務×経営コンサルティング」の複合サービスを提供します
節税だけ考えていては事業の根幹が危うい時代。当事務所は、税務・会計はもちろん、マーケティングや経営戦略提案にも強みを発揮。とくにキャッシュベースの経営を重視し、小規模事業体が「いかにキャッシュを毎月手元に残すか」のアドバイスを行います。
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