- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
「現代世界自由主義のリーダーとしてのカナダ」と「留学生をわかってないカナダ」
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New York Times のcolumnist, Nicholas Kristofがカナダをベタ褒めです。
“Thank God for Canada! Our boring neighbour is a moral leader of the free world.”
「よかった!カナダがいてくれて。 退屈な隣人のカナダは現代自由世界の道徳を導くリーダーです。」
そりゃぁそうです。
トランプの醜いアメリカの北で、世界の自由主義の秩序を守り、正義を貫くカナダ。
かっこいいです。
サウジアラビアの人権抑圧、特に女性の権利抑圧をカナダが批判したあと、心の狭いサウジアラビアは、カナダの外交官を追放、カナダへのフライトを止め、カナダ小麦の輸入を止め、カナダで勉強中のサウジアラビア留学生を本国に呼び戻し、カナダに保有する資産を売却しました。
その時、世界は何をしてくれましたか?
カナダのために立ち上がった国はありません。
ご存知のようにアメリカのトランプはサウジアラビアの家来みたいなものですから、役にも立ちません。
でも、カナダは主張を曲げませんでした。
それどころか、その後家族の暴力から逃げ出した若いサウジ女性を難民として引取り、外務大臣直々に空港に出迎えるという行動に出ました。
「ほら、カナダは人権を守る国!」とサウジアラビアへの見せつけです。
やるぅ〜〜〜〜。
サウジアラビアはかんかん。
イギリスもフランスもドイツも、内部事情に必死で世界を見る余裕はなく、南のアメリカはジャングル政権。
それを横目に、涼しい顔のJustin Trudeau 首相ががんばります。
トランプがシリア難民を締め出す中、カナダは40,000人ものシリアからの難民を受入ました。
難民の新生活を支えるのは民間のカナダの人達。
社会のネットワークで支えていく様子は、世界の見本だと思えます。
移民、難民への政策は手厚く、社会全体で支えているカナダ。
人種差別は一切認めない!と、法律で定めているカナダ。
が。
外国からやって来る未成年の留学生の面倒をみるのが、悲劇的に下手くそなのはなぜでしょう。
移民、難民には政府が大きな補助をし、生活面、英語習得面、就職面すべてで助けています。
移民・難民が定住した地域社会にも、みんなで支えるネットワークが存在します。
移民・難民がトラブルに遭遇した場合の窓口も充実しています。
比較対象的に、留学生は、高額のお金をカナダに持ってきます。
授業料だけでなく生活費・交通費なども含めると年間カナダに払うお金は相当な額に上ります。
学区の雇用を支えますし、ホストファミリーの家計を助けます。
なのに、政府からの援助はありません。
生活面で困っても、相談に乗るふりをするのは、学校の「カウンセラー」と名前をもらっている人が表面的に話をするだけです。
地域には、留学生を支える組織もなければ、存在すら尊重されていない場合が多いです。
トラブルに遭遇しても苦情を言える窓口はありません。
泣き寝入りし、自分の国に帰るしかない留学生もたくさんいます。
カナダ政府の言い分は:「自分の意志でカナダに来、税金も払っていない留学生を守る義務はない」です。
1998年頃ですかね、BC州教育省と大談判し、結果として引き出した政府の回答でした。
カナダは確かに褒めるに値する国だと思います。
それが理由で私もこの国に住んでいます。
しかし、どうしても留学生プログラム主催の各School Districtの態度は納得行きません。
弱い者、権利のない者、剥奪されている者を助けるカナダで、唯一、弱く権利のない者を搾取しお金儲けに精を出す異質な存在です。
その内情を日本のみなさんに伝えること、これも私がカナダでやるべきことのひとつだと思っています。
School Districtと名前のつくところで働く人達は、驚愕するほど世界知らずで、留学生のことなど知ろうとする気もないと感じることが多いのはなぜでしょうね。
唖然です。
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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