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- 藤川 佳
- 株式会社ECSコンサルティング
- ITコンサルタント
欲しいものを探すのに、インターネットは絶大な力を発揮します。昔なら実際に店舗を回って探すため、少ない選択肢から選んでいましたが、今では自宅にいながら膨大な商品を検索することができます。各メーカーのカタログをWEBで閲覧するだけでなく、価格比較・口コミ検索まで行うことができるのは、本当に昔では考えられないことだと思います。
しかし、情報が溢れていることで惑わされることも多々あります。口コミ情報等を見出すと、いつまでも購入できない事態に陥ることもあります。どこでキリをつけるかが重要です。私も口コミを調べすぎて、すぐに必要なものなのに買うのが大幅に遅れてしまった経験があります。その調査にかけた時間も膨大です。これからは膨大な情報をいかに効率よく取捨選択できるかという能力が重要になると考えています。
最近では多くの方がブログを書いていて、アフィリエイトという仕組みも確立されたため、商品名で検索した際にヒットする数はすさまじいものがあります。ただ、情報(検索ヒット数)は多くなっても、有用な情報が少ないと感じてしまうことが多いのも現実です。
RSSや外部から簡単に情報を取得できるWEBサービス等の普及で、価格情報サイトや口コミ情報を自動収集しただけのサイトやブログが多数存在します。そのサイトからページ遷移して購入すると、サイト運営者にお金が入る仕組みですので、そういったサイトを運営される方は、検索エンジンで効率よく検索されるよう、正攻法、裏技ともに駆使しています。随時変更される上位表示のルールに適合するよう日夜努力を繰り返しています。
私も以前上位表示させる手法を勉強するため、いくつかのサイトを作ってみたことがあります。２，３時間程度で作成した価格、口コミ情報を自動取得して表示するだけのものでしたが、上位表示に成功したものもありました。アフィリエイト収入も小額ですが入るようになり、当時はちょっとしたお小遣いになると喜びましたが、運営者でなく利用者にとっては本当に有用なのだろうかという疑問が沸きました。
そういったWEBサイトが蔓延している現在、最終的に情報提供しているお店は同一なのに、多くのサイトやブログで同じ文章が掲載されます。数千件が検索にヒットしても、同一情報を排除してみると数件しかないということもあります。それでも検索している利用者は一件一件を閲覧していきます。そこに要する時間は膨大です。独自の機能や感想を付け加えているサイトなら有用ですが、同一内容を自動取得しているだけで利用者にとってメリットがあるでしょうか。最終的な目標(購買など)に到達するために、余計な中継をしているだけになることも多いです。
WEBサービス利用サイトやブログが爆発的に一昔前は検索にヒットするデータは少なかったですが、情報の質は高かったように思います。私は最近のWEBは汚れてしまったように感じています。
YAHOO、Google等のサーチエンジン開発者は、より有用なサイトを上位表示できるよう日々努力されています。随時行われるロジックの変更で、有用でないサイトは上位表示されないようになることもありますが、新しいロジックが適用されると、そのロジックに対応するための裏技もすぐに公開されてしまいます。完全にイタチごっこ状態です。また有用かを機械が判断する事には限界があります。
ただ、本当にすばらしいレビューを書かれていて、大変参考になるブログや、元のサイトでは実現できていない便利な商品検索ができるWEBサービス利用サイトも確かに存在します。アフィリエイト目的であったにしても、運営者にとって金銭的なメリットのあるだけでなく、利用者にとって有用となるサイトです。
自分が稼ぐために作るか、他の人も欲するサイトを作るか、この意識の持ち方が重要だと思います。後者が増えてくれる、検索エンジンで上位表示される、そんな風になっていくことを切に願っております。
日々多くのWEBシステム制作の話をいただきますが、運営者様はWEBのプロフェッショナルでないことが多いです。その方たちの求めるものを制作するのは当然ですが、更にIT、WEBプロフェッショナルとして、その先にいる利用者にとって有効なシステムとなるようご提案することに重点を置いています。
業務システム、WEBシステム開発に携わるものとして、すばらしいインターネットの世界がクリーンになって、よりいっそう便利になっていく事に貢献できればと思います。
