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だから「群馬大学医学部付属病院」で「医療事故」が連続した

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医療ニュース

去る平成30年8月6日、NHKより「事件の涙/Human Crossroadsと題し、「群馬大学医学部付属病院」で起きた連続手術死ついて、遺族の悲しみが、全国へ放送されました(クリニックするとNHKの番組サイトへ案内されます)。


事件の涙 Human Crossroads「妹の遺した夢~群馬大病院手術死~」


4年前、群馬大学付属病院で腹腔鏡を使った手術で患者が相次いで死亡していることが発覚、社会に衝撃を与えた。以前にも多くの患者が同じ医師の手術後に死亡し、その中に妹がいたことを知った兄がいる。当時、病死だと思い込み、医療事故と気づけなかった後悔にさいなまれてきた兄は、遺品を整理する中で妹が手術前に書き残した日記を見つける。そこには、妹が退院したら叶えたい夢が記されていた―。事件の陰にあった兄妹の物語。


私は、平成9年3月、群馬大学医学部を卒業しました。自分の母校で起きた事件について言及するのは全く本意ではありません。とても辛く悲しい行為です。しかし、NHKはじめ、数多くのテレビ局、新聞社、出版社が報道し、日本中の人々が怒りを覚えている事実を目の当たりにし、黙ってはいられない「義憤」を覚えるようになりました。

更に、私は現在、東京・銀座で診療しておりますが、親しい患者さんから「群馬大学病院ではどうしてあのようなことが起きたですか?」と頻繁に尋ねられます。その度に、私は「精神科医」ですし、「慶應義塾大学大学院へ進学しましたので、よく分かりません」とはぐらかしてきました。でも、そのような言い訳も限界にきました。群馬大学卒業という履歴は、確実に私の診療に良くない影響を及ぼしています。


まず、事件について公式の見解を下記にご紹介しましょう(クリックすると報告書をご覧になれます)。

群馬大学医学部付属病院 医療事故調査委員会 報告書

これを一読すると、医療事故調査委員会による表向きな医学的記載に留まっており、一般の方が読んでも容易に理解できないことでしょう。その時点で、本当の意味での説明責任を果たしていないと思います。更に、事件の背景には地域や社会の問題があると思わざるをえません。


第一は、社会の知識や教育レベルです。下記に文部科学省が発表した2016年の大学進学率をご紹介しましょう。



大学進学率 [ 2016年第一位 東京都 ]の都道府県別ランキング


群馬県は黄色、半分くらいです。東北や九州南部よりは高いですが、東京や大阪など都市部に比較すると高いとは言えません。私は東京・銀座で毎日診療していて最も感じることは、患者さんの知的レベルが相当、高いため、当たり前ですが「ごまかし」がきかないということです。患者さんへ診断と治療の根拠を説明し、同意を得なければ再診には至りません(いわゆる「インフォームド・コンセント」です)。英語の医学論文を読まれてから受診される患者さんもいらっしゃれば、医師(精神疾患を生じた医師の受療行動と適切な行動、クリニックすると論文をご覧になれます)や弁護士といった方々もしばしば受診されます。

ところが、群馬県をはじめ地方の各県ではまだまだ「お医者様」なのです。政令市都市以外では大学病院は各県に一つずつしかないのが実状です。患者さんやご家族が「なんか、おかしい」と思っても、大学病院の先生がそうおっしゃるなら、従うしかないのです。事件を起こした医師は患者さんへほとんど説明もなく、カルテ記載も白紙に近かったといいます。これは報告書に全く記載されていない事実です。


第二は、上記に述べた群馬大学医学部による、全県支配です。東京・神奈川には、東大・医科歯科・慶應・慈恵・順天堂・東邦・杏林・聖マリ・北里・東医・東海・・・といくつもの医学部・付属病院がありません。「なんか、おかしい」と思ったら、別の大学病院や総合病院へ受診し、セカンドオピニオンを受けるのが常識となっています。しかし、群馬県はじめ、地方では大学病院は一つ、総合病院は大学病院の支配下にあります。ですから、セカンドオピニオンを求めても、「ごまかされたり」「はぐらされたり」されるばかりなのです。医師同士も大学時代からの先輩・後輩・同級生ですから、仲間を売るようなことはしません。翻って、東京では時に、ライバル病院・クリニックはお互いの医療過誤を見つけるやいなや、患者さんへ伝え、弁護士を紹介し、医療訴訟に至ることさえあります。それほど地域差があるのです。下記は厚生労働省が発表した2016年の人口10万人あたりの現役医師数です。


現役医師数 [ 2016年第一位 徳島県 ]の都道府県別ランキング



第三に、上記のように仲間や組織を守ろうとする「隠蔽体質」があります。私が、精神科専門医として、事件を起こしたA医師のパーソナリティに関し、彼を知るというB医師へ質問したところ、「黙っていろ」と恫喝されました。結局、医療事故調査委員会が開かれ、報告書が作成されても、本質的に変わっていないということです。私は、B医師に対し、やはり「義憤」を覚えましたが、彼の誠実な変容を信じることにしました。ただし、複数の新聞社・出版社・テレビ局らとは対応を協議しています。マスコミ各社はこの事実を深刻に受け止めて下さり、「やはり変わっていない」という評価をされています。近いうちに何らかの形で報道されることでしょう。


最後に、一連の報道から「推測」するところ(あくまでも本人や家族へかなりの時間かけ、診察しなければ『診断』できませんが)、A医師は「現実見当識」の欠如した「広汎性発達障害/自閉症スペクトラム障害」ではないかと思います。一見、温和で好人物に見えるそうですが、患者さんやご家族の辛さや悲しみに一切、共感することなく、ひたすら上司からの命令のもと、危険極まりない手術を行い、計50人もの患者さんがお亡くなりになったという事実。普通の「共感能力」を持った人物であったら耐えられないはずです。精神科医でしたら、患者さんお一人が自殺された時点で、何が間違っていたのか、診断・治療を再考しつつ、自分自身もしばらく「鬱」になるものです。





だから「群馬大学医学部付属病院」で「医療事故」が連続したのです。卒業生として、どうにてか改善して欲しいと切に願う次第です。私にできることならば、可能な限り協力する所存です。参考に東京都病院経営本部による医療事故予防マニュアルを掲載して終わります(クリックするとご覧になれます)。

医療事故予防マニュアル/東京都病院経営本部

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