お家騒動の末、大塚家具の社長に就任(復帰)した「家具や姫」こと、大塚久美子氏。
その輝かしい経歴は…一橋大学を卒業。
雇用機会均等法が施行されてから5年目の1991年に、女性の総合職として富士銀行(=現みずほ銀行)に就職。
女性活躍推進法が施行された、まさに、その年(=2015年)に大塚家具の社長に復帰。
そして、2016年に日本銀行がマイナス金利を導入…マイナス金利、それ自体は大塚久美子氏とは、
もちろん、何ら関係ありませんが。世間的には住宅ローンが組みやすくなった、つまり、家を買いやすくなる、
即ち、家の購入と同時に、家具も新調する方が多いのでは?
また、社長復帰に先立つ前年には政府がクールジャパン戦略を策定。
要は訪日外国人を増やそうという国策ですが、その国策によってホテルの建設ラッシュ。
今年は民泊法の施行。
ホテルにせよ、民泊にせよ、少なくともベットくらいの家具は必要でしょう。
お家騒動を除けば、時代と、その時々の環境が大塚久美子氏の味方をしていたとも言えるし、
時代と、その時々という背景があったからこその、お家騒動だったのかも知れません。
しかし社長に復帰後は、
業績はみるみる右肩下がりで、売り上げは3分の2くらい。
それに何と言っても、お家騒動で追い落とした父親、つまり先代が苦労の末に貯めたであろう内部留保が…。
先代が残した内部留保を取り崩しまくり、わずか3年の間に、内部留保が12分の1ほどになってしまっているらしい。
そして、辿り着いた結論が『大塚家具が身売りを検討』(リンク先は朝日新聞)。
「源氏三代で滅ぶ」の例えにもあるように、事業承継というのは難しい。
大塚家具の場合、三代どころか、わずか二代、それも相続を伴わず、お家騒動で、
しかも、そのお家騒動の後、わずか3年とは…。
他人事や対岸の火事とは言え。
事例として、しっかり学ばせて頂きたいと思います。
このコラムの執筆専門家
- 大泉 稔
- (東京都 / 研究員)
- 「保険と金融」の相続総合研究所
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