このままだと平均気温40℃以上になる!?」今、私たち消費者にできる対策とは - 消費生活アドバイス - 専門家プロファイル

消費者考動研究所 代表
東京都
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このままだと平均気温40℃以上になる!?」今、私たち消費者にできる対策とは

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消費者市民社会=買い物で世の中を変えよう!

こんにちは。消費者考動研究所代表 消費生活アドバイザーの池見です。

今年の夏は、各地で最高気温が37℃~41℃など記録を塗り替えるほど高温となっています。熱中症など被害も多発しており、危険な状態が続いています。

気象庁の「日本の気候の変化」によれば、地球温暖化の影響で、「日本の平均気温は、1898年(明治31年)以降では100年あたりおよそ1.1℃の割合で上昇しています。特に、1990年代以降、高温となる年が頻繁にあらわれています。」(抜粋)と報告されています。ここ30年ぐらいの間で、高温化が加速しているのです。そうなると、今年のこの異常高温は、実は特別なものではなく、ずっと少しずつ上昇してきている温暖化現象の延長線上の一現象なのかもしれません。


他人事ではない!地球温暖化

ご存知のとおり、地球の温暖化現象は、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスが大気中に増えすぎていることが原因です。人類の産業活動の中で、化石燃料などを燃やしたり二酸化炭素を吸収してくれる森林を伐採したりしていることが要因と言われています。

地球の温暖化が進めば、気温や海水温の上昇により、今までには起きていなかった「観測史上異例の」大きな自然災害を引き起こす豪雨やゲリラ雷雨、突然の雹(ひょう)などが頻繁に起きるようになります。
先日の西日本豪雨災害も、世界各地で発生している異常な高温現象も、少なからず関係があると考えた方が自然です。地球温暖化の危機が、既に実際に私たちの身に降りかかっていると行っても過言ではありません。他人事ではないのです。


今を生きている私たちにしか止められない

現在の温暖化現象の状態は、過去の様々な原因が積み重なった結果です。その現状を急変させるのは困難ですが、これから将来に向かって、更に温暖化が進まないような努力を積み重ねることはできます。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめた第5次評価報告書では、今後の気候変動を、気温上昇を抑える度合い別に、低位安定化シナリオ~高位参照シナリオまでのパターンで予測しています。
最悪のパターンで進んでしまった場合、2100年の平均気温は最大4.8℃も上昇し、海面水位が最大84㎝も高くなると報告されています。

過去のデータでは、気温は1880年~2012年の約120年で0.85℃の上昇、海面水位が1901年~2010年の約110年で19㎝の上昇でした。この過去の変化だけで、今の明らかな異常気象が発生しています。そして、私たちや私たちの子供・孫世代が今後生きてゆく数十年間は、今までの何倍もの気温・海面水位の上昇が予測されています。その状況を想像すると、大変な危機に直面していることがよくわかります。
この危機を、これから少しでも回避するように対策を講じるのは、今生きている私たちしかできません。重い責任です。


私もあなたも、今すぐからできること

前述のとおり、地球温暖化の主な原因となっているのは、二酸化炭素やメタン、フロンなどの温室効果ガスです。温室効果ガスの発生をどれだけ少なく抑えることができるかが、数十年後の危機を回避するカギとなります。

そのカギとして最も有効な手段は、私たち消費者一人ひとりの、毎日の暮らしの中での考え方と行動です。消費行動の中で地球温暖化を食い止めようとアクションです。
国や自治体の施策や企業活動での防止も大切ですが、個人個人が心がけて出来る効果に比べれば限定的と言えます。最悪のシナリオを防ぐ為に私たち消費者が今すぐ出来ることを、以下にいくつか挙げてみました。

・ 本当に必要なものだけを買う…衝動買いや買い過ぎでの無駄を無くし、ごみを減らす
・ コンビニ袋は貰わない。エコバッグを持ち歩く
・ 使い捨てではなく、長く使えるものを選んで買う。
・ 壊れたり不具合が起きたりしたら、捨てずに修理しながら使い続ける。
・ リサイクルショップやフリーマーケットなどを活用して、使えるものはゴミにしない
・ 車やバイクを運転する時は、空ふかしや過度な加速をせずに、エコドライブを楽しむ
・ 商品を買う際は、エコマークや省エネ効果が高いなど地
球環境に配慮している商品を選ぶ
・ ごみを出す時、きちんと分別する
・ フェアトレード商品を選び、焼き畑農業や森林伐採などで生計を立てざるを得ない開発途上国の人々をサポートする
・ 国産の木材を使った製品を積極的に購入・利用して、二酸化炭素を吸収する森林の維持管理をサポートする
  *「木づかい運動」

この他にも、5年後、10年後、20年後、30年後の近い将来の異常気象や地球温暖化を防げるアイデアがきっとあるはずです。
あなたご自身で、お子さんやお孫さんと一緒に、まずは今日から何か一つ初めてみてはいかがでしょうか。既に始めていらっしゃる方は、さらにもう一つ加えてみませんか。


今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

[参考・参照]
全国地球温暖化防止活動推進センター「地球温暖化の基礎知識」
環境省 地球温暖化影響・適応委員会報告書「将来の気候シナリオ・社会シナリオの概要」
気象庁 「これからの気候の変化」「日本の各地域のおける気候の変化」
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(東京都 / 消費生活アドバイザー)
消費者考動研究所 代表

消費生活の専門家が消費者教育・啓発や消費者志向経営をサポート

消費生活アドバイザーは、消費者・企業・行政の懸け橋として、法律、生活知識、消費者志向経営や環境問題まで幅広い専門知識を持つ消費生活の専門家です。企業・自治体等で培った豊富な実務経験とノウハウで、貴方の消費者力UPと企業活動をサポートします。

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