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あるアスリートが言った「厳しくないけどキツイ」の言葉に思うこと

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 お勧めの取り組み

 数多くのトップアスリートのトレーニングを指導する、プロトレーナーの木場克己さんに関する記事を見ました。

 

 ご自身は、小学2年から柔道を始め、スパルタ式の練習で、中学では県大会2位、高校ではレスリングでインターハイ3位という有望な成績を上げていましたが、厳しい練習のせいで腰椎圧迫骨折になり、選手生命を断たれてしまったそうです。

 

 もともと体育会系の“ど根性”にはなじめないでいて、これを全否定した独自の体幹トレーニングである「コバトレ」が支持を集めています。

 

 これに参加しているアスリートたちの様子は、一見すればあまりにリラックスした雰囲気で、木場さんは明るく冗談を言っていることが多いようですが、オンとオフの切り替えがはっきりしていて、トレーニングの見た目はシンプルながら、かなりハードな内容です。

 木場さんは、オンの時は大きな声で指示を飛ばし、トレーニングに一区切りがつけば、選手とハイタッチしてスイッチオフになり、選手たちに明るく声をかけるなど、「脱スポ根」の明るい演出が特徴です。

 

 この記事の中で印象に残ったのは、ある若手アスリートが言っていた「厳しくはないけど、キツイです」という言葉です。「でも、成果が出ている選手がたくさんいるので、しっかり続けています」とのことでした。

 

 私が企業での人材育成を見ている中で、いつも思うことに「厳しさの勘違い」があります。ただ体力的、精神的な負荷をかけることを厳しさだと思っていて、一見すれば結果にこだわっているように見えるものの、実はそうではないという場合です。悪い意味での“気合い”“根性”ということです。

 

 しかし、実際の厳しさはそうではなく、求められる結果のハードルが高いとか、目標が高いとか、そういうことにあるはずです。

 そうした時に、この「厳しくはないけどキツイ」ということ、そして「成果が出ているから続けられる」ということが、実は人の成長には一番必要なことではないかと思います。

 

 企業の人材育成の現場では、いまだに「意識が低い」「打たれ弱い」など、指導している人材に対するあいまいな批判が出てきますが、そこで求めていることは、ただ雰囲気の厳しさに耐えることが目的となっているように見えます。

 意識が高まって、打たれ強くなったとして、それ自体は悪いことではありませんが、それは必ず結果につながるものではありません。

 

 木庭さんのトレーニングは、雰囲気は和気あいあいとしていて、お互いの会話は明るく楽しいものだったとしても、そこで行われているのは、体力的、精神的にキツイとされるトレーニングです。さらに何らかの結果につながることが求められ、それがなければ続けられません。

 

 人材育成の基本的な考え方として、「厳しくはないけどキツイ」と言われるような指導が、実は最も重要なことではないでしょうか。

 

 

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