日経記事;『社説;開かれた研究開発でEV時代の先導を』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『社説;開かれた研究開発でEV時代の先導を』に関する考察

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経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

6月19日付の日経新聞に、『社説;開かれた研究開発でEV時代の先導を』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『電気自動車(EV)をめぐって、日本車メーカーの提携戦略が活発化している。電池関連などの技術や人材といった自社に足りない経営資源を外部のパートナーと連携することで補う狙いだ。

日本車が電動技術で世界をリードできるか否かは、日本経済全体の浮沈にも直結する事項だ。各社の努力に期待したい。

最近の動きで注目されるのは、これまで「技術の自前主義」にこだわり、他社との連携に消極的だったホンダの変身だ。

今月初めに北米市場向けEVに搭載する電池を米ゼネラル・モーターズと共同開発すると発表した。中国の新興電池メーカーで、昨年車載用リチウムイオン電池の出荷量で世界首位に躍り出たCATL社とも連携を強化する。

他方で「日本連合」というべき国内勢の大同団結的な動きの中核をなすのがトヨタ自動車だ。

昨秋にマツダ、デンソーの両社と共同出資で技術開発会社をつくった。そこにスズキやSUBARUの技術者も加わり、エンジン車の延長線上ではない、EVに最適化した車両の開発に取り組む。

電池については、パナソニックや政府系機関と共同開発を進める。トヨタの寺師茂樹副社長は「(一連の提携で)電動化へのアクセルを踏み込む」と述べた。

日本勢としていち早くEV「リーフ」を商品化した日産自動車は、提携関係にある仏ルノーや三菱自動車と協力を進める。

提携が相次ぐ背景には2つの危機感がある。1つはエンジン車やハイブリッド車の開発では世界を先導した日本メーカーだが、EVについては出遅れ感があることだ。古い技術の覇者が新技術の台頭で存在感を失う。そんな事態を避けるために、ライバルとも手を結ぼうという機運が高まった。

もう1つはEVへの社会的な関心の高まりにもかかわらず、EVの採算がいまだによくないことだ。電池のコストダウンが思うように進まず、各社は電動車両の比重が高まるほど収益が悪化する悩みを抱えている。巨額の開発投資を複数社で分担することで、負担を軽減する狙いがある。

外部と柔軟に連携しながら、新しいモノを生み出す「オープン・イノベーション」が今ほど重要なときはない。国家戦略としてEV化に旗をふる中国の電池メーカーなどとどう付き合うかも、戦略的な判断を迫られる課題である。』

最近の日経記事の中で、電気自動車(EV)の開発・実用化に関するものが多くなっています。

これは、欧州や中国、インドなどで、次世代環境対応車の決めてとして、当面の間、EVが主役になることによります。

日本政府やトヨタ、ホンダなどの国内自動車メーカーは、水素燃料電池車の開発・実用化を進めていますが、水素ステーションの設置などの社会インフラ整備や、車体価格が高いことなどがボトルネックとなって、近未来の普及発展は、困難な状況です。

米EVベンチャーであるテスラモーターズのCEOは、次世代環境対応車はEVであり、水素燃料電池車ではないと言い切っています。

この事業環境下、トヨタ、日産、ホンダなどの国内自動車メーカーは、それぞれのやり方で、EVの開発・実用化を積極的に行っています。

EVのコア技術であり、コア部品は、何と言っても電池です。このEV用電池は、ざっくりと言いますと、大きな二つの課題をもっています。

一つは、1回の充電で走行できる距離の実現です。一般的に現在のガソリンエンジン車は、気象条件にもよりますが、1回の給油で500㎞~600㎞くらい走行可能です。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーが、開発・実用化したハイブリッド車(HV)は、もっと実用的な電池が開発・実用化されるまでの短期的であり、現実的な解の一つです。

しかし、欧州、中国、米国のカリフォルニア州などの国や地域では、HVはガソリンエンジンを使うという視点から、重要視されていません。次世代環境対応車は、EVであることになっています。

電池のもう一つの課題が、高コストであることです。現在の主力電池は、リチウムイオン電池です。

このリチウムイオン電池は、レアアースが使用されていることもあって、高コスト体質になっています。なかなか、量産効果で低コスト化できない状況になっています。

このことは、自動車メーカーがEVシフトを進めると、採算性が悪化することになります。

これらの現状抱えている電池の課題解決のために、6月16日付の”ブログ・コラム日経記事;『次世代電池へ日本連合「全固体」を開発 トヨタ・NEDOなど』に関する考察”で書きましたように、NEDO、トヨタ、パナソニックなどが主導して、高効率な次世代電池とされる「全固体電池」の開発・実用化を急ピッチで行うことになっています。

世界をみますと、欧州は次世代環境対応車をEVとして、政府と自動車メーカーが一体となって、電池を含めて開発・実用化を進めています。

中国の場合、EVを国策で主要な産業に育成しようとしていますので、なおさら電池の開発・実用化を含めて積極的になっています。また、中国は、欧米企業と連携・協業(アライアンス)を組んで、EVの開発・実用化を早めようとしています。

本日の記事は、この世界的な次世代環境対応車の事業環境下で、トヨタ、ホンダ、日産などの国内自動車メーカーは、EVの開発・実用化を加速させる必要があり、その開発・実用化をオープンイノベーションのやり方で短期的に、高効率に実現する必要性について書いています。

私は、この記事の視点は合理的であり、賛成します。

もう一つの次世代環境対応車に搭載されるのは、自動ブレーキや自動運転機能です。

自動運転機能付EVは、言わば、動くインターネット端末機器になります。米グーグルが、自動運転機能付EVの開発・実用化を進めているのが、インターネット端末機器の台数を増やすことにあります。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーにとって、グーグルなどの米大手ITベンダーは、今まで直接競合していない企業になります。

グーグルが、他の自動車メーカーと異なるのは、この企業は自動車本体から高収益を確保・拡大するビジネスモデルをもっていないことです。

グーグルは、自動運転機能付EVをインターネット端末機器のプラットフォームとして普及させて、その上でインターネット広告宣伝収益確保・拡大を目指すやり方になります。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、既存自動車メーカーに加えて、グーグルのような異業種企業との激しい競争に、世界市場で勝たないと事業基盤を失います。

しかも、グーグルなどの米大手ITベンダーは、今まで徹底的なオープンイノベーションのやり方で、急速に既存事業基盤を急速に破壊・再構築してきた歴史をもっています。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、EV本体の開発・実用化と、自動運転機能を可能にするための、IoT・人工知能(AI)対応を並行して行う必要があります。

どの世界企業でも、1社単独で自動運転機能付EVの開発・実用化は、不可能です。
トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、今後、オープンイノベーションのやり方を取り入れて、競争力のある自動車を実現することが必要になります。

このオープンイノベーションのやり方は、ベンチャーや中小企業にも大いに活用していくことが重要であり、必要です。

この視点からも、トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーの動きに注目していきます。
よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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