職場の中でも、モノづくりの中小・零細企業の経営者の皆さんは、
常々、背中を見せて人を育てるとおっしゃいます。
たしかに、昔から言われる通り、効果性は高いように思いますが、
この言葉を勘違いして受け止める「育てられる側」と、
言わんとすることを誤解している「育てる側の中間管理者」との間で
意図がずれてしまっているため
思う通りの結果に到達しないと嘆く方々からの相談をお受けします。
背中を見せるという抽象的な表現を、
それぞれの人が、それぞれに受け止めるからです。
7つの習慣で言えば、「模範を示す」ということでしょうか。
模範を示すって、どういうこと?
と反応する人もあると思いますしね。
相手の理解に応じて、いくつかの表現を考えておかなければならないのが
今という時代なのでしょう。
元に戻して、
背中を見せるとか、模範を示すという比喩表現(例えて示すこと)は、
翻訳すれば、
「生き様を見せる」ということでしょう。
仕事の進め方は、得て、不得手があるので、自分スタイルを作るための参考にはなっても、真似することができる人とできない人があるのです。
そうではなくて、仕事への情熱をもって取り組む姿勢であるとか、
できることがなぜ、できるようになったのかという工夫の仕方や、学習するために必要な情報を提供する。
朝の挨拶から始まって、仕事を終えて帰った後まで、すべてのお手本になることが、
生き様を見せるということでしょう。
人は、誰と出逢い、どんな刺激を受けたのかによって、大きく変わることがあります。
職場という狭い世間の中でも、刺激を与えて、部下や社員の人生観を変えることができるのかもしれません。
ぜひ、解釈の歪みのない「背中」を見せながら、来週も元気にお過ごしくださいね。
このコラムの執筆専門家
- 竹内 和美
- (研修講師)
- 株式会社オフィス・ウィズ 代表取締役
実践型研修で、結果が即・行動に現れます
ビジネススキルに不可欠なコミュニケーション力。ますます重要な「聴く力」「話す力」「論理的に考える力」を高める研修はじめ、企業研修の内製化のコンサルティング、人事政策のアドバイスなど、人事に関する総合的なご支援をしています。
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