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日経記事;『データ収集優先、危うさ ウーバー自動運転死亡で報告書 緊急ブレーキ非設定』に関する考察

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皆様、

こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

5月26日付の日経新聞に、『データ収集優先、危うさ ウーバー自動運転死亡で報告書 緊急ブレーキ非設定』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『米ライドシェア最大手ウーバーテクノロジーズの自動運転車が3月に歩行者をはねて死亡させた事故で、米運輸安全委員会(NTSB)は24日、暫定報告書を公表した。

明らかになった事故前後の状況は同社の安全管理の甘さを露呈した。公道実験は国内外で増えていく。ずさんな技術開発は人命に直結しかねない。安全確保に向けたルール作りが求められる。

死亡事故は米アリゾナ州で3月18日の午後10時ごろ起きた。報告書によると、スウェーデンのボルボ・カーの多目的スポーツ車(SUV)「XC90」に搭載したウーバーの自動運転システムは、衝突の6秒前に自転車を押して道路を渡ろうとしていた49歳の女性歩行者を検知。1.3秒前には衝撃を軽減する緊急ブレーキが必要と判断した。

ただウーバーは車両の不規則な挙動を減らすため、自動運転中は緊急ブレーキを作動しない設定にしていた。緊急時には運転席の係員がハンドルやブレーキの操作に介入することになっていたが、システム側から警報を発する仕組みはなく、運転手がブレーキを踏んだのは衝突の後だった。

運転席に乗っていた係員は事故の直前まで自動運転システムの制御画面を見ていたと主張。ウーバーは前方を見ずに脇見をしていた係員に緊急時の操作を担わせていたことになり、運用面のずさんさも浮かび上がった。

自動運転を巡っては米ゼネラル・モーターズ(GM)やトヨタ自動車などの自動車メーカーや米グーグル系のウェイモをはじめとするネット大手が開発にしのぎを削る。公道試験で集めたデータが性能を左右するため、各社とも競うように公道試験に乗り出している。

ウーバーの最大のライバルとされるウェイモはアリゾナ州で無人タクシーサービスの商用化に向けた準備を着々と進める。すでに地球200周分を超える公道試験を終えたが、これまで死亡事故は報告されていない。

将来、ライドシェアが自動運転に置き換わる事態に備え、ウーバーは自社での技術開発を急いでいる。安全管理をおろそかにしたウーバーの姿勢からは技術を早く蓄積したいという焦りがにじむ。

国内の自動車各社は「(自動運転開発の)目的は交通事故ゼロ」(豊田章男トヨタ社長)と、開発スピードよりも安全性を優先する立場だ。トヨタは米国では先進研究を担うトヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)が主体となってカリフォルニア州とミシガン州の公道、一部の閉鎖的なコースで実験をしていた。日米とも専門の訓練を受けたテストドライバーが常時乗車する。

日産自動車はディー・エヌ・エー(DeNA)と組み、スマートフォンで自動運転車を配車する新サービスの実証実験を3月に横浜市で実施した。技術開発に携わる日産従業員が運転席と助手席に同乗し、運転操作が必要な際には介入する。

新興勢には安全意識に疑問符がつく。米電気自動車(EV)メーカー、テスラの車両は5月に衝突事故を起こした。批判する報道にイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「足首の骨折を招いた事故が1面記事になり、年間4万人近い米国の死亡事故がほとんど報じられないのはあまりにひどい」と反論した。

自動運転の開発競争は過熱しており、ウーバーのような事故が今後も起こらないという保証はない。各国で実証実験のルール作りが進むが、人為的なミスを未然に防ぐ仕組みにも目配りする必要が出てくる可能性もある。安全をないがしろにすれば、新技術の芽を摘むことにもなりかねない。』

本日の記事によると、ウーバーが米アリゾナ州で行っていた自動運連走行試験車が、3月18日に起こした死亡事故の原因の一つに、緊急ブレーキを作動しない設定しない状態にしていたとのことです。

国内自動車メーカーのトヨタ自動車や日産自動車などが行っている自動運転走行試験車は、自動車メーカーの常識として、「緊急ブレーキを作動しない設定」はあり得ないことです。

トヨタや日産は、自動運転車の開発・実用化を行う最大目的は、交通事故ゼロ、あるいは死亡事故ゼロの絶対安全車の実用化にあることによります。

グーグルが行っている自動運転走行試験車も、国内自動車メーカーと同じ安全性を担保することを目標としていると推測します。

グーグルが自動運転車の開発・実用化を行っているのは、決して自動車メーカーとなる事業目的ではなく、自社のインターネット検索エンジンの出口端末を増やして、広告宣伝収入を拡大することにあります。

アマゾンやアップルなどの米大手ITベンダーも、何らかの形で自動運転車の開発・実用化を進めています。これらの米大手ITベンダーの自動運転車の開発・実用化を行う目的は、自社のインターネットに関するビジネスの収益確保・拡大にあります。

私は、グーグル、アマゾン、アップルなどの米大手ITベンダーは、トヨタや日産などの国内自動車メーカーと同じように、絶対安全な自動運転車の開発・実用化を行うことにあるとみています。

しかし、ウーバーの場合は、グーグルに比べて大幅に遅れている自動運転走行車の試験データ収集を優先して行った結果、今回の死亡事故を起こしたことが想定されます。

このことは、絶対安全な自動運転車を実現する事業目的とは、根本的に異なります。

インターネット・ITのビジネス分野では、OSやアプリケーションソフトなどを市場で販売した後に、バク修正や機能・性能を順次追加していくやり方が一般的になっています。

自動運転車の開発・実用化を行う場合、最優先事項は、絶対安全の担保にありますので、この機能をないがしろにして、自動運転車を市場導入することは絶対あってはならないことです。

この絶対安全担保を自動運転車の市場導入後に行う企業があるとしたら、絶対に自動車市場に参入させないことが必要になります。

上記インターネット・ITの市場導入後の、バク修正や機能・性能の順次追加のやり方は、自動運転車の絶対安全機能には、適用しないことが必要です。

ウーバーは、絶対安全を担保しないで、公道で自動運転走行試験を行っていたことは、まったく受け入れることはできません。

自動車は、運転操作を誤ると、動く凶器になります。国内では、アクセルとブレーキの踏み間違いや、認知症の人が誤った運転走行で、深刻な交通事故をたびたび起こしています。

国内での自動運転車の実用化に対する期待の一つに、人的要因による交通事故防止があります。

また、地方の過疎地で、そこに住む人が自ら運転しなくても、自己所有するか、共有する自動運転車を活用することで、買物や通院などの快適な足を確保することにあります。

さらに、完全な自動運転車走行が可能になると、高速道路などでの渋滞を解消する決定的な対策の一つになる期待があります。

国内自動車メーカー、国民、グーグル・アマゾン・アップルなどの米大手ITベンダーなどが、行っている、あるいは期待している自動運転車に対する必要な絶対条件は、絶対安全に対する担保が前提となります。

本日の記事を読む限り、ウーバーやテスラモーターズの考えは、この絶対安全担保の考えとは、異なる印象をもっています。
今後、自動運転車の開発・実用化は、日米欧中国などで進んでいきます。この中で、国内自動車メーカーや関連企業は、絶対安全を担保するやり方で、当該自動車を市場に導入することを期待します。

この絶対安全担保を実現できる技術やノウハウは、これを実用化した企業の差別化・差異化をにつながります。

この視点から、国内自動車メーカーや米大手ITベンダーなどの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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