- 森岡 篤
- 有限会社パルティータ 代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
本年もよろしくお願いいたします
2009年最初のコラムは、居室の窓の方位についてです。
居間などの居室のメインの窓は、南側が良いとされています。
なぜ南側の窓が良いのか、他の方位の窓ではだめなのか、がテーマです。
太陽との関係が判断基準ですが、
一つは、
太陽光による熱負荷による、夏の暑さ
もう一つは、逆に
日が当たらないため、昼間自然光で暗いかどうか
の2点で考えてみます。
太陽光による熱負荷による、夏の暑さ
各面の特徴は、
南面:
太陽は、季節により軌跡が変わり、夏は高度が高くなり、冬は低くなります。
居室の南側に大きな窓を設け、窓の上に庇を付けると、夏は室内に直射がほとんど入らないため暑くならず、冬は太陽光が室内奥まで入り、暖かくすることができます。
自然エネルギーの太陽を合理的に利用し、夏も冬も快適環境を得ることができるので、優れています。
西面:
居室西側に大きな窓がある場合、太陽光は午後夕方にかけ入ります。
1日の最も気温の高い時間帯に重なるため、室内が暑くなりやすくなります。
南面の場合は、高度が高いですが、西面では水平に近い角度で日が入るため、壁に垂直な庇やルーバーは効果ありません。
ブラインドやカーテンで日を除けますが、カーテンは熱がこもります。
内側より外側の日除けが良く、外ブラインド、よしず、壁面緑化が効果的です。
緑化は、日影にするだけでなく、気化熱をうばうので気温も下がります。
Low-Eガラスを使うと、熱負荷を緩和することができます。
東面:
西面が窓のときと比べ、日の入る時間帯が変わるだけで、日の入り方は、同じように水平に近くなります。
日が多くはいる時間帯が早く、気温が上がる前なので、西ほど暑くは感じません。
朝日が多く入るので、気持ちよい環境となります。
東面で暑い場合の対処は、西面と同じです。
北面:
北面は、太陽光が入らないので、それによる熱負荷はありません。
このように、太陽光による熱負荷は、方位により変わるので、異なる対処が必要です。
<次回に続く>