日経記事;『柔軟経営 パナソニック本気 ジーパンOK、大企業病にメス』に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『柔軟経営 パナソニック本気 ジーパンOK、大企業病にメス』に関する考察

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経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

5月8日付の日経新聞に、『柔軟経営 パナソニック本気 ジーパンOK、大企業病にメス』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『パナソニックは4月からジーパンやスニーカーでの勤務を解禁した。朝礼で松下幸之助がつくった「七精神」を唱和する従来のスタイルを徐々に変えようとしている。

自らもチノパンをはいて旗を振る社長の津賀一宏(61)はスタートアップに転職した「辞めパナ」を呼び戻したり、外部の力で社内起業を促したりなど必死だ。「ジーンズをはいたパナソニック」は中身も変われるのか。

「一つの視点にとらわれすぎずいろんなインスピレーションが湧く」。リスク管理の部署で法令改正に伴う会社の対応を考える岩瀬幸平(40)は私服で勤務を始めた。

経営企画や人事、経理など約2100人が働く大阪府門真市の本社に限らない。国内に全6万5000人いる社員の服装は工場などを除けば実質的に自由になった。改革の引き金を引いたのは「出戻り組」だ。

「言い方は悪いが『門真発想』ではもう限界」。旧松下電器産業の出身で、日本マイクロソフト社長などを歴任し、昨年4月に専務役員としてパナソニックに戻った樋口泰行(60)。

同10月には担当する社内カンパニーの拠点を大阪府門真市から東京に移転し、服装も自由にした。「どんどんやろう」。津賀が支持し、服装の自由化が全社に広がった。

「君たちの知見が欲しい」。昨年夏、パナソニックの最高技術責任者(CTO)、宮部義幸(60)は東京・秋葉原近くのスタートアップ企業、セレボ本社に岩佐琢磨をたずねた。08年にパナソニックを飛び出しセレボを設立した岩佐だが、新会社シフトールを設立してパナソニックに復帰することを決めた。

宮部が欲しがったのは「アジャイル(素早い)」と呼ばれる手法だ。社員のアイデアを素早く商品化して小ロット生産で市場に出し、顧客の声を聞きながら完成度を増す。「従来は社員が疲れて商品化にたどり着かないケースが多かった」(宮部)。

若手社員によると根回しにも細心の注意が必要だった。「『私は聞いていない』と後から言われるのを避けるため社内メールのCC(同報)に30人くらい入っている」。驚きのある商品をなかなか出せない一因はここにある。

「一緒にやりましょう」。3月、家電部門、アプライアンス社社長の本間哲朗(56)はシリコンバレーを拠点とする投資ファンド、スクラムベンチャーズのパートナー、春田真と手を握った。春田はDeNA会長として横浜ベイスターズの買収などを手がけた人物だ。

スクラムと共同出資で、社員の起業を支援する新会社、ビーエッジ(東京・港)を3月に発足させた。従来は課外活動の域を出なかったが、今後は自分のアイデアを具現化したい社員が同社の支援で会社を起こす。

津賀は最近、周辺にこう漏らしている。「同じ志を持って進める布陣が整ってきた」。6月末で津賀の社長在任は7年目に突入する。』

パナソニックのように、従来の垂直統合方式で、商品の開発・設計・製造・販売を行ってきたメーカーが、マイクロソフト、アップル、アマゾン、グーグルなどの米大手ITベンダーが仕掛けている、既存事業基盤を急速破壊・再構築する動きに対応することはできます。

それは、経営のスピードが根本的に異なることによります。米欧企業は、一般的にITベンチャーだけでなく、経営施策の決定と実行速度が、国内企業より早い状況は今までありました。

中堅・大手国内企業の経営施策は、一般的に社長や会長のトップマネジメントだけでなく、関連役員の合議制で決まります。

このため、経営施策決定の前に、事業性の検証・確認、採算性の検証・確認、その他当該事業の妥当性や必要性などの検証・確認など数多くのステップがあります。

この事前準備・調整・根回しなどの事前準備・ステップの多さが、迅速な対応を難しくしています。

また、国内企業が合議制を採用している理由の一つに、トップマネジメントを含む担当役員が、失敗した場合の責任を取りたがらない、リスクを取らない経営風土が、国内企業にあります。

トヨタ自動車は、米大手ITベンダーなどが仕掛けている、自動運転機能付EVの開発・実用化の大波に対して、深刻な危機感をもって、経営している印象をもっています。

EVは、トヨタや他の既存自動車メーカーが盤石な強みとしていたガソリンエンジン車の技術ノウハウを、一掃する破壊力をもっています。

しかも、自動運転車の概念は、既存の人の操作を必要とするマニュアル車の既存基盤を破壊します。

グーグルが自動運転機能付EVの開発・実用化を進めていますのは、自動車自体を売るビジネスモデルではなく、Webサイトなどの出口端末を増やして、インターネット活用の機会を増やして、宣伝広告収入を拡大することが主目的です。

アマゾンやアップルが、自動運転機能付EVの開発・実用化に動いているのは、同じ理由です。

しかも、将来多くの人が、自動車を所有することから、共有する(シェアする)動きに変わる可能性があります。

トヨタは、このような急激な事業環境に対応するため、自社をハードウェアオリエンテッドな会社から、インターネット・IT・IoT・人工知能(AI)を取り入れたソフトウェアオリエンテッドの要素を加えた会社に変わろうと、積極的な投資とオープンイノベーションのやり方を徹底的に行う経営姿勢になっています。

トヨタは、パナソニックなどと国内大手メーカーの代表格の企業です。かって、トヨタは、開発・設計・製造・販売まで、一気通貫の垂直統合方式で、圧倒的な強みをもっていました。

その垂直統合方式を採用している中堅・大手メーカーは、生き残れないと考えています。

本日の記事は、パナソニックが社内の意識改革の一環として、年中カジュアルウエアにして良いとの方針を打ち出したことについて書いています。

特に、ハードウェアやソフトウェア技術者には、想像力を発揮できるように、リラックス効果を出してもらう必要があり、カジュアルウエア着用を認めるのは有効です。

ただし、カジュアルウエア着用だけで終われば、経営環境には全く影響しないと考えます。

パナソニックの競合相手の中に、トヨタと同じように、多くの海外ITベンダーがいます。

その海外ITベンダーとの競争に打ち勝つには、上記するように、経営スピードを迅速化して、垂直統合方式ではなく、他社とのオープンイノベーションのやり方を徹底的に行う必要があります。

社内の意思決定の仕組みの単純化・簡素化、情報共有の徹底、技術者のモチベーション向上と働きやすい環境の実現などを総合的に、かつ短期間に行う必要があります。

私が中小企業の新規事業立上と、当該事業分野に必要な販路開拓・集客の支援を行うときに、たびたび他社とのオープンイノベーションのやり方を徹底的に行う必要があります。

この時に、必要に応じて、支援先企業の意思決定のプロセスをより簡易化して、可能な限りフラットな陣形にする必要があります。

意思決定に不要なプロセスや役員を除外して、情報共有のやり方を、インターネット・ITのツールをフル活用して行います。

私の経験では、このやり方が中小企業でさえ、一定期間に新規事業立上を行う上で有効と実感しています。

まして、パナソニックのような大企業が、経営環境やマネジメントのやり方を変えるとすると、大きなエネルギーが必要となります。

パナソニックが、今回のカジュアルウエア着用をきっかけにして、どのような経営環境に変えていくのか、中小企業の参考事例として関心があります。

この視点から、今後のパナソニックの動きに注目していきます。
よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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