日経記事;『アプリで送金、タッグ広がる 銀行Xフィンテック、勘定系開放で 利便と安全の両立課題』の考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『アプリで送金、タッグ広がる 銀行Xフィンテック、勘定系開放で 利便と安全の両立課題』の考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 海外展開
経営戦略 インターネットマーケティング

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

5月4日付の日経新聞に、『アプリで送金、タッグ広がる 銀行Xフィンテック、勘定系開放で 利便と安全の両立課題』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『銀行の基幹業務の一つである送金をめぐり、フィンテック企業と組む動きが広がってきた。銀行のネットバンキングを使わなくても、フィンテック系のスマホアプリを操り、銀行口座のお金をやり取りできる。

閉鎖的だった勘定系システムを外部に開放していることが背景にある。預金者の利便性は高まるが、取引の安全性をどう守るのか課題も残っている。

みずほ銀行は、ウェルスタイル(東京・渋谷)による家族向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)アプリと連携した。写真やメッセージだけでなく、例えば、アプリ上で祖父母から孫にお小遣いを送れるようにした。

法人向けでは、家計簿アプリのマネーフォワードと組んで、クラウド経費精算サービスを提供。企業の従業員は、交通費を精算する時に、交通系ICカードなどの履歴を反映できる。

企業はみずほ銀行の法人口座から従業員へ送金をシステム上で処理できるため、円滑な精算業務が可能だ。

住信SBIネット銀行は2月、ウェルスナビ(東京・渋谷)の資産運用アプリとの連携機能を高めた。ネットバンキング画面に移動せずにワンタッチで預金口座のお金を運用に振り向けられるようにした。従来は月に1回の送金だったが、少額でも頻繁に投資に回せる利点がある。

ふくおかフィナンシャルグループ(FG)傘下のiBankマーケティング(福岡市)は3月、同社の収支管理アプリ上で、お金のデザイン(東京・港)の投資一任運用サービスに送金できるようにした。グループ外の沖縄銀行の預金者も、このサービスを使えるようにした。

銀行がフィンテックと送金で連携できるようになった背景には、送金を管理する勘定システムへの接続を外部企業にも開放するようになったことが大きい。「オープンAPI」と呼ばれる。

従来は預金口座の残高照会など情報を見るだけのアプリが多かったが、口座のお金をアプリの操作で送るといった踏み込んだ連携が増えてきた。

6月に施行予定の改正銀行法は、オープンAPIの体制整備へ努力するよう銀行に義務付けた。全国銀行協会はAPI接続に向けたチェックリスト(試行版)をつくった。様々なアプリと連動できるよう基幹システムへの接続を許す銀行がさらに増えそうだ。

オープンAPIは利用者がIDやパスワードをフィンテック企業に預ける従来の仕組みより安全性が高いとされる。ただハッキングなどで、利用者の口座にあるお金や情報が外部に流出する可能性もある。銀行やフィンテック企業は厳しい情報保全の体制をさらにつくる必要がある。』

ここ1~2年間で、多くの金融機関がフィンテック企業にAPIを公開しています。このAPI連携したフィンテック企業のアプリケーションソフトを利用することで、顧客は、銀行のインターネットバンキングのログインID・パスワードを、当該アプリソフト上に保存することなく明細データを取得できます。

APIとは、Application Programming Interfaceのことであり、ソフトウェアコンポーネントが互いにやりとりするのに使用するインタフェースの仕様になります。

共通のAPIを使用することで、異なったソフトウェアやコンピュータシステムをスムーズにつなげることができます。

APIを共有化すれば、双方の企業のサービスが、顧客に問題なく使用してもらい、自社事業の拡大につなげられます。

昨年は、クラウド会計サービスを展開するfreeeが、三菱UFJなどの大手金融機関とAPI連携・協業(アライアンス)を行ったことが話題になりました。

さらに、2018年6月に、本日の記事にありますように、銀行法の一部が改正され、銀行は、自前の勘定系システムを開放するためのAPI連携を行うことが義務付けられます。

政府が銀行法を改正して、銀行にAPI連携を義務付けるのは、欧米で、特にEUでは、2015年11月に、PSD(Payment Services Directive)2が成立し、加盟国は、2018年1月までに国内法化が義務付けられました。

欧州では、フィンテック関連ビジネスの一つとして、個人資産管理(Personal Financial Management、PFM)サービスが拡大しています。

個人資産管理(Personal Financial Management、PFM)事業者は、現時点で銀行、証券、カード会社などです。

従来のやり方では、PFM事業者は、利用者のID、パスワードを預かり、利用者に代わって金融機関口座等にアクセスしたうえで、ウェブ・スクレイピングという技術を用いて口座情報等を取得していました。

このやり方では、ID、パスワードといった個人の認証情報を、金融機関以外の事業者が保有することになり、セキュリティ上の問題が生じないかという不安がありました。

この課題を解決するために、PSD2では、PFM事業者が、AISP(Account Information Service Provider)として登録することとし、電子送金サービスを扱う事業者がPISP(Payment Initiation Service Provider)として免許制による規制対象となりました。

この免許を取得した企業が、そ金融機関へのアクセスが保障されるわけです。

金融機関は、情報セキュリティの観点から、オープンAPIが義務化される状況となり、世界規模でのオープンAPIの急速な普及が見込まれることになりました。

このような状況下、日本でも、フィンテックを推進するためのコア技術として、API普及が必要と判断され、政府が銀行法の改正を決定しました。

この政府の動きは、世界市場で潮流となっているフィンテック化への対応となる規制緩和の一つであり、大いに歓迎します。

金融機関とフィンテック企業は、API連携を行いながら、顧客満足度を高めることで、双方が「Win/Win」の関係構築が可能になります。もちろん、顧客個人情報を保護するための、仕組み作りが大前提になります。

私は、今後のフィンテック化の動きで期待したいのは、海外と国内間の送金手続きの簡略化です。

現在、国内企業や国内の個人が、海外顧客との間で送金しようとすると、複雑な手続き処理、完了までの機関の長さ、海外送金手数料と為替手数料の支払など、さまざまな煩わしさがつきまといます。

このため、国内企業が海外企業との決済手段としては、海外送金は双方から敬遠され、クレジットカード決済やペイパル・ペイオニアなどの決済代行サービスを活用しています。

しかし、BtoBタイプのビジネスでは、取引金額が高くなるため、仕方なく、銀行を介する送金手続きを行う必要があります。

この事態をフィンテック化の進展で、解決して欲しいのです。たとえば、新興フィンテック企業の一つである、英トランスファーワイズは、リアルタイムで為替レートを確認・適用することで、事実上、上記為替手数料を無料化して、全体の手数料を1/3から1/8くらいまで下げられるサービスを提供しています。

このようなサービスを、国内フィンテック企業から提供されることを期待します。今後、仮想通貨が投機的な動きで機能しなくなったり、ブロックチェーン技術が多く使われることで、海外送金が国内ネットバンキングのように、安全かつ簡単にできるようになると、海外企業や顧客との取引が急増することは、確実です。

国内企業が、より輸出事業を広範囲に行えるビジネス環境になります。

国内外の金融事業環境が、フィンテック化の急速発展で、よりフラットで安全かつ低コスト化が進めことを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム