- 増岡 健司
- 医療法人社団 MEDIQOL 理事長 歯科医師
- 東京都
- 歯科医師
対象:一般歯科・歯の治療
- 赤岩 経大
- (歯科医師)
- 赤岩 経大
- (歯科医師)
その原因は
1)花粉や家屋内のダニなどアレルゲンの種類や数が多くなったこと
2)ディーゼルエンジンなどによる大気汚染
3)食生活の変化
4)肉体的、精神的ストレスの増加
5)抗生物質などの薬剤の多用や清潔志向による細菌感染の減少
などではないかとされています。
また、過去に金属製の装飾品に「かぶれた」ことがあるとの回答が全体の2割を占めたとするア
ンケート結果もあり、この様な方々には金属を用いる歯科治療時にも金属アレルギーに対する適切
な配慮が必要となります。
ただ、口腔内にはアレルギーを発生させにくい要素もある為、口腔内の金属による発症は皮膚か
らの場合に比べて低いとされています。
■金属アレルギーによる疾患
1)皮膚に現れる場合
金属アレルギーによる疾患は湿疹に代表されるように、原因金属が口腔内にあっても皮膚疾患となることが多く、その割合は皮膚疾患10 に対して口腔内は1 程度です。
2)口腔内に現れる場合
口腔内では舌炎、口唇炎、口内炎などの口腔粘膜の炎症その他の症状として現れます。原因となった金属(アレルゲン)を除去する「抗原除去療法」によって全身の皮膚炎も軽減または治癒します。
■金属アレルギーの予防
ピアスや金属製品で湿疹をおこしたり、かぶれたりしたことがある人はパッチテストによってア
レルゲン金属を特定し、これを含まない材料を使用して発病を予防することができます。
パッチテストとは健康な部分の皮膚にアレルゲンを疑われる材質を代表する試薬を塗布、密封し
て人工的に皮膚炎を起こし、その反応の程度によって原因となるアレルゲン金属を特定する方法です。
また、クラウンやブリッジ(金属の歯)のまわりに炎症が生じていると金属が溶出しやすく、歯
肉組織内へ取り込まれやすくなっています。正しいハミガキや適合の良い金属の歯を装着すること
は、金属アレルギーの予防にも有効と考えられます。