日経記事;『工場の「OS」2陣営譲らず三菱電機VSファナック IoT、企業結集競う』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『工場の「OS」2陣営譲らず三菱電機VSファナック IoT、企業結集競う』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. アライアンス・事業提携
経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

4月20日付の日経新聞に、『工場の「OS」2陣営譲らず三菱電機VSファナック IoT、企業結集競う』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『あらゆるモノがネットにつながる「IoT」分野で、「工場の基本ソフト(OS)」の覇権争いが激しくなっている。主役が三菱電機とファナックだ。

設備をネットワークでつなぎ工場の生産性を高める仕組みを開発し、企業に参加を呼びかけている。同分野で先行する独シーメンスなどの欧米勢に割って入り日本発の世界標準を狙う。

三菱電機は19日、工場の機械の監視や生産性向上に使うソフトウエアや機器を発売すると発表した。三菱電機や日立製作所などからなるコンソーシアムが5月8日に発売するIoT基盤「エッジクロス」に対応する第1弾の製品となる。

設備をつないでムダな動きや異常をリアルタイムで検知し、工場を効率的に動かすのがこの基盤の狙い。プラットフォームを握れば得られるデータが増え、ハードの競争力に直結するため仲間作りが活発になっている。

IoT基盤では独シーメンスや米ゼネラル・エレクトリック(GE)が先行する。海外勢が主にクラウド上で情報を処理するのに対し、エッジクロスは「エッジ(末端)コンピューティング」を特徴とする。

外部のクラウドにデータを集めるのではなく、工場で得た情報をその場で素早く処理するもの。クラウドにデータを送っていては複数の機械を効率的に動かすには間に合わないためだ。

エッジでは機械をより緻密に制御できるため、ロボットや自動化装置で競争力のある日本企業に向くとされている。三菱電機FAシステム事業本部の三条寛和機器事業部長は「現場の課題は現場で改善するのが我々のポリシー」と胸を張る。

エッジクロスの会員企業は約130社。三菱電機名古屋製作所の都築貴之FAシステム統括部長は「参画する企業を増やしたい」と拡大を目指すが、ライバルが存在する。

産業用ロボットなどで高いシェアを持つファナックだ。同社は米シスコシステムズや人工知能(AI)ベンチャーのプリファードネットワークス(東京・千代田)などと開発した「フィールドシステム」の普及を進める。こちらも「エッジ」が特徴で、昨年10月の投入以来、パートナー企業数は約470社に達した。

ファナックの武器はAIだ。米半導体大手エヌビディアの画像処理半導体(GPU)を活用し、ロボットが自ら学ぶ機能を追加した。

バラバラに積み上がった部品をつかむ場合、従来は人間がプログラムを入力する必要があった。新システムではロボがつかみ方を自ら学ぶ。

両陣営はそろって「オープン」を強調するが、連携が実現する兆しはない。「ファナックのシステムは特定の機械向けの傾向がある」(三菱電機の宮田芳和常務執行役)。「我々はサポートがワンストップで提供できる」(ファナックの松原俊介専務執行役員)。工作機械の数値制御(NC)装置でのライバル関係が色濃く残る。

そのため多くの機械メーカーが両陣営に加わる状況だ。シチズンマシナリー幹部は「覇権争いがどうなるのか分からないので必要な協業は全てしておく」と打ち明ける。

両陣営とも当面は国内で仲間作りを進め海外に打って出る計算だ。2陣営のまま世界基準を狙うのか。それともどこかで連携するのか。主導権争いは続きそうだ。』

本日の記事は、インダストリー4.0の中核となるIoT対応のデファクトスタンダード化を目指している三菱電機とファナックの動きについて書いています。

インダストリー4.0は、いろいろな定義があります。私は、工場で製造されているモノ、工場全体のすべての動き、部材・部品メーカー、モノの販売先まで、インターネットでつながり、自動化・機械化されて運用効率を最大化する動きであると理解しています。

インダストリー4.0を動かすキーテクノロジーが、IoT・人工知能(AI)になります。IoTは、モノ工場、周辺の関連企業などをすべてインターネットでつなげることで、可視化できるようにします。

人工知能(AI)は、IoTで生成される大量のデータ・情報を学習しながら、効率良く処理・判断して、人手を介さずに運用効率を最大化するようにしていきます。

本日の記事で言っています工場の「OS」は、IoT基盤になります。三菱電機は、このIoT基盤のやり方を、「エッジクロス」と呼んでいます。

一方、ファナックは、「フィールドシステム」と呼んでいます。

両社のIoT基盤は、ともにエッジコンピューティングのやり方を採用しています。エッジコンピューティングが、コトバンクでは、「コンピューターネットワーク上で、利用者に近い場所に多数のサーバーを配置し、負荷の分散と通信の低遅延化を図ること。サーバーの集約化を図るクラウドコンピューティングに比べ、通信遅延を100分の1程度にすることができ、リアルタイム処理を必要とするMtoMやIoT端末への対応が可能となる。」と定義されています。

エッジコンピューティングを採用すると、IoTで発生する大量のデータ・情報をリアルタイムで、処理できるメリットがあります。

インダストリー4.0で先行している独シーメンスや米GEなどの欧米勢は、現時点では、IoTで発生する大量のデータ・情報を大型クラウドサービスで処理するやり方を採用しています。

国内企業が、エッジコンピューティングをIoT基盤の差別化・差異化ポイントとして、世界市場で勝ち組になることを目指しています。

IoT基盤は、工場の「OS」ですので、プラットフォームになります。このプラットフォームを国内勢が押さえて世界市場でプラットフォーマーになると、大きな商機を得ることができます。

このプラットフォームになる方式で、三菱電機とファナックが競争しています。もしこの両社が競争を続けていくとすると、エッジコンピューティングのプラットフォーム構築を世界市場で実現するまで戦うことになります。

インダストリー4.0を世界市場で有効活用するためには、IoT基盤が共通なプラットフォームで構築されることが前提になります。

両社が世界市場のプラットフォーマーになるためには、巧みなオープンイノベーションのやり方を徹底的に行う必要があります。もちろん、大前提は、より合理的なIoT基盤のやり方を実現することになります。

三菱電機は、一般社団法人Edgecrossコンソーシアムを、オムロン、日本IBM、日立製作所、NEC、日本オラクルなどと共同で立ち上げ、運用しています。本日の記事では、エッジクロスの会員企業は約130社です。

ファナックは、米シスコシステムズ、国内有力AIベンチャーのPFN(プリファードネットワークス)などと協業して、すでにいくつかの商品・サービスを開発・実用化しています。

例えば、2018年4月17日にmファナックとPFNは、高速加工,高精度加工或いは高品位加工の実現のため、機械学習を用いてサーボモータ制御のパ ラメータの高度な調整を簡単に実現する「AIサーボチューニング」機能群の一つとして、「AIフィードフォワード」の共同開発を発表しています。

ファナックの発表情報によると、2017年4月時点での「フィールドシステム」への参画企業数は、350社でした。最近の参画企業数は、本日の記事によると、470社になっています。

三菱電機とファナックのIoT基盤のデファクトスタンダード化は、技術的優位性とオープンイノベーションのやり方の優劣で決まります。

オープンイノベーションのやり方は、基盤技術を無償もしくは低コストで開放して、参画企業が自由に使えるような環境づくりを行うことが、大前提になります。

三菱電機とファナックの競争は、国内企業同士によるオープンイノベーションのやり方の優劣比較と、IoT基盤の一つとなるエッジコンピューティングが世界市場でデファクトスタンダード化するための動き方などの視点から、大きな関心と期待をもって注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム

このコラムに類似したコラム