日経記事;『官民EV次世代電池トヨタ/パナソニックなど協力 経産省支援,高効率や簡単組み立て』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『官民EV次世代電池トヨタ/パナソニックなど協力 経産省支援,高効率や簡単組み立て』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

4月18日付の日経新聞に、『官民EV次世代電池トヨタ/パナソニックなど協力 経産省支援,高効率や簡単組み立て』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『電気自動車(EV)向けの次世代型電池の開発で官民が連携する。5月から経済産業省やトヨタ自動車、旭化成、パナソニックといった自動車や素材・電機大手が協力し、全固体電池と呼ばれる高効率の製品の開発を進める。

現在、主流の自動車用電池は中国などにシェアを奪われつつある。EVの本格的な普及を見据え、次世代型の開発を早めて巻き返す。

旭化成や東レなどが参加する技術研究組合「リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)」に経産省が16億円を拠出する。

トヨタや日産自動車、ホンダといった大手自動車メーカー、パナソニックやGSユアサなどもLIBTECの開発に加わる。18日にも発表する。

現在主流のリチウムイオン電池は主要部材の電解質が液体だが、全固体電池ではこの電解質を固体にする。液漏れの心配がないため安全性が高く、組み立てもしやすい。必要な部材の量が減るためコストを削減でき、より高い出力も出せる。

トヨタの研究が世界で最も進んでいるとされる。だが実用化はできておらず、自動車や電池から素材まで、幅広いメーカーが協力する枠組みを整える。

液体よりも電池での活用が難しい固体の素材を使い、高い性能を引き出すための開発や安全性を評価するための基準作りを進める。

現行のリチウムイオン電池を載せた車の平均的な航続距離は400キロメートル程度。LIBTECは2025年までに550キロメートル、30年までに800キロメートルをめざし、幅広いメーカーから採用を見込む。

自動車に搭載する蓄電池では日本企業が先行し、13年には70%のシェアを握っていた。だが、中国や韓国の企業が急速に追い上げており、13年にシェアが3%だった中国勢は16年に26%まで拡大した。日本は41%まで減少している。

世界的な環境規制の強化を受け、今後、EVの本格的な普及が始まる。中国は次世代自動車の普及台数を16年の65万台から8000万台に増やし、ドイツも同7万台から600万台に増やす計画。

日本も30年に新車販売に占める次世代車の比率を20~30%に伸ばす方針で、EVの中核部品となる蓄電池も大幅な市場拡大が見込める。

経産省は世界で主導権を握るため、国際規格の取得も進める。具体的には国際電気標準会議(IEC)などへの申請を検討する。

技術開発と規格作りの両面から取り組みを加速し、EV市場での存在感を高める考えだ。』

本日の記事は、経済産業省が主導して、リチウムイオンの後継となる全固体電池の開発・実用化を、トヨタ、日産、ホンダ、パナソニック、GSユアサ、旭化成、東レクラレなどの国内メーカーと、協業・連携(アライアンス)を組んで行うことについて書いています。

上記企業群は、自動車メーカー、電池メーカー、電池材料メーカーの主要企業が参加するオールジャパン体制になります。

現在、HVやEVに使用されている電池は、リチウムイオン電池です。リチウムイオン電池は、ソニーが世界で初めてパソコンなどの電子端末用途の実用的バッテリーとして、開発・実用化に成功しました。

このリチウムイオン電池は、電子端末だけでなく、HVやEVに幅広く使用されています。

HVやEV、特にEVにとって、1回の充電で走行できる距離の長さが課題になっています。現行のリチウムイオン電池は、1回の充電での走行可能距離は、400㎞です。

EVを普及させるには、この1回の充電での走行距離を、ガソリンエンジン車並の800㎞に増やす必要があります。

さらに、現在のリチウムイオン電池は、以下の技術的課題をもっています。
・電圧・出力を一定条件以上に高められない
・部材が多く設計が複雑である
・液漏れ、引火のリスクがある
・実用的使用温度の上限が60~70℃と低い、など

全固体電池の開発・実用化は、上記技術的課題を解決すべく、トヨタやパナソニックなどが中心になって、動いています。

また、トヨタは、全固体電池の開発・実用化に際して、以下の課題をあげています。
・現行ガソリンエンジン能力20万㎞くらいの耐久性の実現(バッテリー交換の頻度を減らす)
・バッテリー容量を増やして、1回の充電での走行距離を800㎞にする
・EVの販売価格をガソリンエンジン車並にする
・量産体制の確立、など

関連企業による全固体電池の開発・実用化は、すでにかなりのレベルまで進んでいるとみています。今回の経済産業省の施策は、これらの関連企業の開発・実用化のスピードをさらに加速させるとともに、オールジャパン体制で、世界市場で勝ち組になることです。

今までの国内メーカーは、幾つかのケースで、技術の開発・実用化を成功させながら、事業化・ビジネス化の競争で、海外勢になる負けた経験をもっています。

全固体電池の開発・実用化・事業化で、このような失敗をすると、国内経済の大きな柱である自動車産業の競争力を失う可能性があります。

そのため、経済産業省が主導して、国内メーカーが開発・実用化する全固体電池を世界市場で普及させて主導権を取るために、記事にありますように、国際電気標準会議(IEC)などへの申請やロビー活動を積極的に行う必要があります。

自動車産業や部材メーカーなどの国内企業は、世界市場でデファクトスタンダードを作るためのロビー活動に、一定の経験をもっていますので、経済産業省などとの官と協力して、強力にIECなどでの協業・連携(アライアンス)を強力に行うことを大いに期待します。

上記しましたように、国内メーカーは、全固体電池の開発・実用化で、競合他社より先行しています。今回の施策や協業・連携(アライアンス)活動が、この開発・実用化の動きを加速させて、世界市場で勝ち組になることを期待します。

全固体電池の開発・実用化の動きに、注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



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