買い時と勧め時とは違う

昨年の秋から、わが家に証券会社から度々勧誘の電話がかかってきました。お勧めの銘柄の中に、AI（人工知能）に関連した銘柄に投資する投資信託がありました。

ＡＩにかかわる企業というだけで、

儲かるのではないかという期待も高まります。ところが、会社は失敗もしながら大きくなっていきますので、良い時も悪い時もあります。ここ最近は、AIにかかわる企業にとって良くない出来事が続きました。

例を挙げてみます。　

・トランプ大統領が、アマゾンに反トラスト法（日本でいう独占禁止法のようなもの）の適用を検討している。　

・フェイスブックで得られた個人情報が、イギリスの情報サービス会社を通じてアメリカ大統領選挙で不正に使用された。　

・自動運転実験をしていた車が、死亡者を出す交通事故を起こした。画像処理向け半導体を提供したメーカーが、実験の取りやめを決断した。　

これらのニュースによって、

当事者企業の株価は大きく下がりました。だからといって購入するように勧めてきた金融機関や運用している運用会社が、責任を取ってくれることはありません。大抵の場合、購入を勧められる銘柄は、価格が上昇傾向にあるものが多く、大幅に上昇するほど利益確定の為に売られ、大幅に値下がりすることも多いのです。

手っ取り早く儲けたい方は、

十分吟味せず勧められるがままに「旬の」投資信託を購入しがちです。ここ20年のテーマは、例えば、「シルバーライフ」「バイオ・ゲノム」「インターネット関連」「ヘルスケア」「ＢＲＩＣｓ」「中国株」「フィンテック」「ＡＩ」「ビッグデータ」等々。中には運用成績の良いものもありますが、数年間以上元本割れをしたままになるものもあります。購入時の手数料や、買っている期間に支払う手数料も高いのが多く、金融機関が儲けるのに適しています。結局のところ、証券会社が儲かるものを勧められることが多いのです。

今年から「つみたてＮＩＳＡ（少額非課税投資）」が始まります。

金融庁の指示により、購入手数料がかからない、信託報酬が低い（例えば、日本株式での運用は最大年1％（税抜））ものを金融機関が選んでいます。私たちがお金のふやし方について考えるには良い切り口だと思います。気になる方は、一度弊社にご相談ください。