日経記事;『グーグル系のウェイモ、自動運転トラックの実用試験』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『グーグル系のウェイモ、自動運転トラックの実用試験』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. アライアンス・事業提携
経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、

こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

3月10日付の日経新聞に、『グーグル系のウェイモ、自動運転トラックの実用試験』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は、以下の通りです。

『グーグル系の自動運転システム開発会社ウェイモは9日、自動運転トラックの実用試験をジョージア州で始めると発表した。自動運転トラックはライドシェア最大手の米ウーバーテクノロジーズも開発を進めている。

複雑な市街地の運転と違って走行ルートが限られる長距離物流は自動運転に適しているとされ競争が過熱している。

ウェイモが開発した自動運転トラック(左)。乗用車(右)で培ったAI技術を応用した

来週から米アトランタにあるグーグルのデータセンター向け物流でトラックを走らせる。車には専用の自動運転システムを積むものの、まずは経験豊富な運転手が同乗して問題があれば人による運転に切り替える。

ウェイモは乗用車ですでに延べ500万マイル(約800万キロメートル)の公道試験を実施済みで大量の走行データを蓄積している。同社は同日の声明で「10年近い乗用車での走行経験がトラックへの自動運転技術の応用を可能にした」とコメントした。

自動運転トラックの開発に取り組むのはウェイモにとどまらない。ウーバーもこのほど米アリゾナ州で走行試験を始めたことを明らかにした。フロリダ州のスタースキー・ロボティクスなどスタートアップ企業による参入も始まっている。』

本日の記事は、グーグルが自動運転の公道試験を、運送用トラックを対象に始めることについて書いています。

本日の記事になりますように、トラックは一般的に決まったルートの道を走りますから、バスと同じように、自動運転機能の開発・実用化が進めやすい対象になります。

特に、運転手に負担の大きい長距離運行のトラックは、自動運転機能が実用化されると、安全面でも大きな成果が生まれます。

アメリカ国内では、カリフォルニア州や他州でも、グーグルや米国自動車メーカーが自動運転機能の開発・実用化のための実証試験実現に前向きになっています。

世界の自動運転機能の開発・実用化で最先端を走っているグーグルは、乗用車で約800万キロメートルの試験データやノウハウ蓄積をしています。

日本では、政府が2020年のオリンピックの時に、自動運転走行のバスを運行すると発表しています。

トヨタ自動車は、2018年1月9日に、商用サービス向け電気自動車(EV)の試作車「e-Palette Concept(イーパレットコンセプト)」を発表しました。

トヨタは、自動運転技術を活用し、移動や物流、物販など幅広いサービスに対応する。2020年東京五輪・パラリンピックで移動サービスを提供する予定としています。

私は、トヨタがグーグルと同じ実用化レベルになる、自動運転機能付EVやPV搭載のバスやトラックを実現することを期待しています。

そのためには、トヨタは今まで本ブログ・コラムで書いていますように、他社との連携・協業(アライアンス)を積極的に採用するオープンイノベーションを有効に活用することが必要不可欠になります。

グーグルなどに代表される米大手ITベンダーの多くは、オープンイノベーションを有効に活用して、短期間に既存事業基盤を破壊・再構築して、自社の高い収益源になるプラットフォームを構築・拡大しています。

グーグルが自動運転機能の開発・実用化で先行して、乗用車、トラック、バスなどの分野で主導権を握ると、トヨタなどの国内自動車メーカーは、単なるハードウェアとしての自動車を提供する企業になる可能性があります。

もし国内自動車メーカーが、単なる自動車の提供メーカーになると、常に低価格のハードウエアの提供を要求される、製造受託者になります。

EVが普及すると、自動車業界に参入したい企業には、産業障壁が一般的に低くなります。必然的に、安い自動車を提供できる製造受託者が、大きなシャアを獲得することになります。

トヨタや他の国内自動車メーカーが、製造受託者になると、今のような高収益の獲得ができなくなり、日本経済に大きな影響を与えてしまいます。

トヨタは、そのようになるリスクを十分に認識・理解しています。対抗策として、米シリコンバレーに大型のIT・人工知能の研究開発拠点を作ったり、日本の人工知能の代表的なITベンチャーの一つであるPFN(Preferred Networks)に多額の資金提供を行ったりしています。

トヨタに期待したいのは、徹底的なオープンイノベーションの実行です。グーグルなどの競合相手と、競争して勝ち抜くには、オープンイノベーションを有効に活用以外に方法がありません。

トヨタの強みを活かしながら、オンリーワンの強みをもつ異業種企業と、イコールパートナーシップで徹底的な連携・協業(アライアンス)を行うことが重要です。

このオープンイノベーションは、企業の規模に関係なく、イコールパートナーシップで、お互いの強みを補完しあって発揮する事業環境下でのみ、有効に作用します。

有効なオープンイノベーションは、新規事業機会獲得の点で、短期間に多くの成果を生み出します。

自動運転機能の開発・実用化は、まさにこの新規事業機会獲得の典型的な一例です。

今回のグーグルのトラック分野での自動運転機能の開発・実用化の動きに対する、トヨタの今後の事業展開のやり方に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム