- 金井 高志
- フランテック法律事務所
- 弁護士
対象:企業法務
- 尾上 雅典
- (行政書士)
- 河野 英仁
- (弁理士)
アメリカでの内部統制に関する基準では、企業の内部統制の監査に関して、外部監査人は、直接報告(ダイレクト・リポーティング)として、外部監査人自らが財務報告に係る内部統制の有効性を直接評価し、外部監査人が直接意見を表明することとされています。
しかし、日本においては、経営者による内部統制報告書が適正であるか否かについて意見を表明する間接報告(インダイレクト・レポーティング)方式がとられています。言い換えれば、外部監査人は、経営者が決定した評価範囲、評価手続そして評価結果の妥当性のみを監査し、経営者による内部統制報告書の適正性についてのみ監査意見を表明すれば足りるということです。したがって、日本における内部統制監査においては、内部監査人や監査役による内部統制体制の整備・運用状況の監視が重要な意味を持つものであり、それらを前提として、外部監査人の監査がなされることになっているのです。
なお、アメリカの会社法では監査役制度がありませんので、内部統制監査における監査役の位置づけは日本固有のものであり、アメリカでの内部監査基準による前例がありません。そこで、今後は、実務上、監査役と外部監査人による内部統制監査における役割分担の議論が必要となると思われます。
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このコラムの執筆専門家
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