日経記事;『中外時評 もの作り変えた「オープン」』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『中外時評 もの作り変えた「オープン」』に関する考察

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経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

                                                2018年2月10日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

しょうしょう古い記事になりますが、2月1日付の日経新聞に、『中外時評 もの作り変えた「オープン」』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『ソフトの設計図にあたるソースコードを広く公開し、誰でも改良して自由に使えるようにする――。こうしたオープンソースと呼ばれる技術基盤の歴史を振り返ると、10年前の2008年が2つの意味で節目の年だったといえる。

「スマートフォン(スマホ)が重要になると分かっていたが、誰もが成功を確信していたわけではなかった」。08年にグーグルに入社し、現在はスマホ向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」部門で製品管理担当の副社長を務めるサミール・サマット氏は振り返る。

オープンソースであるアンドロイドを利用した最初のスマホは、サマット氏の入社直後、店頭に並んだ。それから10年。1300社が2万4000機種のアンドロイドを搭載した製品を発売し、月間利用者は20億人を超えている。世界のモバイル機器を通じたネット利用の契約数は10倍に増えた。

08年2月にはソフト開発者がコードを公開・共有できるサービス「ギットハブ」の運営会社も誕生している。ギットハブは10年で2700万人を上回る開発者が使うサービスへと成長し、オープンソースが普及する礎になった。

「端的に言うと、当社は中国のグーグルだ」。1月上旬、米家電見本市「CES」の会場で中国のIT(情報技術)大手、百度(バイドゥ)の陸奇・最高執行責任者(COO)が熱弁を振るった。

百度の事業の柱はネット検索サービスで、確かに陸COOの説明は的を射ている。だが自社をグーグルになぞらえる理由はこれだけではない。

マイクロソフトなどの米IT企業で経験を積んだ陸COOは現在、人工知能(AI)の開発に力を入れている。応用先として重点分野に据える自動運転車では、アンドロイドと同様に多くのソフト開発者や協力企業を巻き込む手法を活用する。

17年に始めた「アポロ」と呼ぶプロジェクトの責任者にグーグルのアンドロイド部門の出身者を据え、コードはギットハブで公開する。協力企業は米フォード・モーターや独部品大手のボッシュなど90社に達し、年内に中国企業がこの技術でバスを量産する。

品質や安全が重要な自動車にオープンソースが合うのか。懐疑論もあるが、ITと自動車の双方に詳しい名古屋大学の野辺継男客員准教授は「自動運転を支える機械学習は与えるデータが多いほど性能が高まる。オープンソースを活用して開発速度を上げる手法は有効だ」という。

IT機器に加えて自動車など幅広い製品やサービスがソフトへの依存を深め、オープンソースの考え方を取り入れることは避けられなくなりつつある。問われるのはこの技術基盤とどう向き合うかだ。

まず大事なのは、オープンソースを前提とした事業戦略を立てることだ。スマホで一敗地にまみれたカナダのブラックベリーは今、自動運転車向けのソフトに力を入れている。スマホは自社で開発から生産・販売までを完結させる事業形態だったが、自動運転では百度など幅広い企業と組んでいるのが興味深い。

他社と同じ技術基盤を活用する場合にどう違いを出すかも焦点だ。「OS以外でどう差異化するかという課題を突きつけられた10年だった」。ソニーの平井一夫社長はアンドロイドの登場で競争環境が大きく変わった通信機器事業について振り返る。今後、多くの企業が同じ課題に向き合うことになるはずだ。

稼ぎ方も大切になる。グーグルはアンドロイドを無償で提供する一方、パソコンに代わる広告を掲載する媒体へとスマホを育てた。注目を浴びる米中のライドシェア(相乗り)サービス企業も、アンドロイドやスマホの普及を収益に結びつけた好例といえる。

10年前、日本の携帯電話業界ではパナソニックやNEC、富士通などが幅を利かせていた。だが顔ぶれは大きく変わり、関連するソフトやサービスでも海外勢の攻勢が目立つ。オープンな技術基盤は世界中のソフト開発者や協力企業を巻き込めば急成長し、対応できない企業は容赦なくふるい落とす。これも過去10年から学ぶべき教訓だ。』

本日の記事に書かれているように、米国大手ITベンダーであるグーグル、アップル、アマゾン・ドット・コムなどが、この10年くらいの間に進めてきた事業展開は、強力なインターネット・IT・ソフトウェアの開発・実用化の能力により、既存事業基盤を破壊・再構築してきた歴史になります。

これらの企業が行ってきたことは、Webサイト検索エンジン、スマートフォン、インターネット通販などの強力な各種プラットフォームを構築して、その上で継続的に広告宣伝やインターネット通販などのビジネスから、安定的、かつ、継続的に収益を確保・拡大するやり方です。

このため、これらの米大手ITベンダーは、マイクロソフト、フェースブックを加えて、アップル、グーグル(アルファベット)、マイクロソフト、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムの米大手ITベンダー5社は、プラットフォーマーと言われています。

これらの米大手ITベンダーのの収益の源泉は「デジタル時代の石油」と呼ばれるデータです。

個人や企業にこのデータを無料もしくは、低価格で提供することにより、利便性が高まるため、多くの人が活用することで、さらにデータを蓄積できるようになります。

結果として、各ITベンダーのプラットフォームが強化され、拡大します。この強化・拡大されたプラットフォームが、大きな収益源になります。

これらの大手ITベンダーの中で、特に、グーグルはオープンな形でビジネス展開を行って、自社の検索エンジンが、パソコン、スマートフォン、タブレット端末などのすべてのWebサイトに搭載され、活用できるようにしてもらう仕組み作りを行いました。

グーグルは、スマートフォン、タブレット端末などの情報端末機器に搭載されるOSであるアンドロイドを開発・実用化して、無償で提供しています。

アンドロイドは、無償で提供されているLinux(リナックス)上に構築されています。
このリナックスは、スーパーコンピュータ、サーバー、メインフレームで使用されるOSとして、最大のシャアをもっています。

また、リナックスは、携帯電話、ネットワークルータ、テレビ、ハードディスクレコーダ、カーナビゲーションシステムといった組み込みシステムでも、数多く使用されています。

以下、リナックスに関するウイキペディアからの抜粋記事です。
「Linuxの開発は、フリーかつオープンソースなソフトウェアの共同開発として最も傑出した例のひとつである[11]。Linuxカーネルのソースコードは無償で入手でき、GNU一般公衆利用許諾書のもとにおいて、非営利・営利に関わらず誰でも自由に使用・修正・頒布できる。Linuxは、世界中の開発者の知識を取り入れるという方法によって、あらゆる方面に利用できる幅広い機能と柔軟性を獲得し、数多くのユーザの協力によって問題を修正していくことで高い信頼性を獲得した。」

グーグルは、このやり方をアンドロイドに適用して、リナックスと同じように、オープンな形のOSにして公開しています。

アンドロイドを使用するスマートフォンは、アップルのiPhoneを大きく引き伸ばして、数多く存在しています。

また、最近急速に開発・実用化が進んでいる自動運転車でも、このアンドロイドがOSとして、採用され始めています。

グーグルは、このオープンな形でのビジネス展開を強化しており、WebブラウザであるChrome、eメールソフトであるG-mail、グーグルカレンダーなどのソフトウェアも無償で提供しています。

このChromeは、Net Applicationsの調査で2016年4月にパソコンで使用されるWebブラウザとして、世界シェアを41.66%として、マイクロソフトのIEやEdgeのシャアを上回る状況になっています。

グーグルが提供するこれらのオープンな形での無償サービスを、数多くの個人や企業が使うことで、プラットフォーム能力が向上するとともに、数多くのデータも蓄積できます。

この強力なプラットフォームやデータは、グーグルの宣伝広告機能を活用する企業にとって、大きな魅力となります。

これは、宣伝広告を行う企業が、より効果的に自社商品の情報を伝えることに大きな重きを置いていることによります。

グーグルが自動運転車の開発・実用化を進めていますのは、動く電子端末機器として自動車をとらえており、より多くの出口端末を増やすことを実現するためです。

今後、日本の国内企業は、オープンな形での事業展開を意識して行う必要があります。

たとえば、AIベンチャーのPFN(Preferred Networks)は、深層学習フレームワークChainerを無償公開してオープンにし、基本的に誰でも使えるようにしました。

多くの国内外の企業が、PFNの動きに協調して、高速化やアプリケーションソフトの開発・実用化を行っており、GitHub(ギットハブ)で数多く公開されています。

このGitHub(ギットハブ)も無償で使用されるサービスがあり、本日の記事にありますように、GitHubは10年で2700万人を上回るITエンジニアに活用されています。

PFNのChainerが市場にプラットフォームとして定着すると、PFNは、グーグルと同じように、このプラットフォーム上で動くアプリケーションソフトの販売が可能になります。

本日の記事にありますオープンは、プラットフォームを無償で提供するとともに、このプラットフォームを活用するビジネスも、他社との連携・協業(アライアンス)を組むやり方になる「オープンイノベーション」を効果的に行うことが重要になります。

このオープンイノベーションを効果的に行うやり方について、今後も記事として取り上げていきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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