美しい美術館の展示室、陶器を飾っている質感のあるギャラリー、
そんな素敵な場を住まいに作りたいと思いませんか?
ギャラリーや美術館のような空間を設計する方法が、2つあります。
ひとつは、空間のボリューム。
もうひとつは、素材がキーワードです。
豊田市美術館の奈良美智展をみて考えました。
「photo by 株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所」
豊田市美術館のギャラリーの美しさ
奈良美智 for better or worse 企画展 が、豊田市美術館で行われました。
期間:2017年7月15日―2017年9月24日
写真の豊田市美術館は、ロビーの吹抜けのデザインが印象的な美術館です。
白い空間の吹抜けに、黒のボーダー状のアート作品。
中央の電光掲示板もアート作品です。
美術館は、白く大きな吹抜け空間が特徴的です。
特に、豊田市美術館は美しさが際立っています。
空間のボリュームと素材を美術館と同じにする
美術館やギャラリーのような空間を生み出すには、その空間のボリュームと素材を、同じボリューム感にし、素材も近しい素材を選ぶことで空間が同じ質を持つことができます。
豊田市美術館のロビーの素材は、壁の白くマットな塗装と、床の大理石でできている、白の空間です。
同質の空間を生み出すには、同様な素材を使います。
壁・床・天井を白系に統一することで、美術館らしい、美しいビジュアルが目に飛び込んで来ます。
注意すべきは壁の白はマットにすること。
ピカピカした艶のある塗装は、光が反射してアート作品が見えづらくなるため、美術館では艶の無い塗装を施します。
同様に、住宅でも美術館的な空間にする場合は、マットな塗装にします。
ボリュームとは、空間の大きさです。
豊田市美術館の吹抜けは、余りに大きく、住まいやクリニックなどに持ってくることは出来ません。
ボリューム感をそろえるには、平面の幅と空間の高さの比率を同じくすることで、美術館的な空間の大きさが生まれます。
更に、美術館では窓をあまりつくりません。
美術品の劣化をさける為ですが、ロビーなども大きな窓は、1Fの1方向だけにして、高いところに小さな窓をつくるだけです。
この幅と高さの比率をあわせた空間の大きさと、窓の位置を同様にすることで、美術館のような場所を生み出します。
このコラムの執筆専門家
- 小木野 貴光
- (東京都 / 建築家)
- 株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所 代表 一級建築士
「あなたらしい、世界の一つだけの家」を実現
「あなたらしい、世界の一つだけの家」を実現するため、細やかな「収納計画」、「光と風」を取り入れ、「素材」と「間取り」の工夫で、心地よい住む方らしい家づくりをしています。住宅・デザイナーズ賃貸・クリニック・老人ホーム、東京都の建築設計事務所。
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