- 小澤 康宏
- 東京都
- 経営コンサルタント
対象:事業再生と承継・M&A
- 村田 英幸
- (弁護士)
- 村田 英幸
- (弁護士)
ここからは、建設生産システムについて解説したいと思います。中でも、下請け業者との取極め交渉です。隠蔽やしがらみ体質の原点とも言えます。しかし、多くの経営者は、この関係を透明性のある競争関係にしたいとは、思っていません。
そこで、まず「請負契約締結時の法令遵守」と題し、上記の体質からくる問題について考えてみたいと思います。その前に、かかるコストの中で、比率の高いコストと言えば、外注費です。つまり、下請け業者との取極め交渉による請負契約の金額に問題が潜んでいます。元請け業者が、外注費を低く抑えようとすること自体、当たり前の事ですが、隠蔽やしがらみ体質からくるコストに対する考え方に問題があるのです。
その問題とは、ズバリ価格根拠のなさです。ここには、要求事項や諸条件を曖昧にする、見積り時の内訳明細書(要素別原価)を書かない、指し値や口頭で金額決定を行う等、まさに「なあなあ」でことを済ませようとする体質があります。
例えば、次に示す行為について、法律でも明確に定められています。「実施工に見合う見積り条件を提示する」「請負契約書による契約を締結する」「変更が生じた場合、前記に準じて契約を締結する」「取極め交渉の価格決定には、見積り依頼や協議の上行う」等々です。
これらを遵守する事は請負会社にとり責務です。下請け業者との取極め交渉、つまり、価格を決定するプロセスにこそ大きな問題が潜んでいるのです。まさに、ここに着目し、働き方を改革すべきです。