営業秘密に対するリスクマネジメント (2) - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

後藤 義弘
代表取締役
社会保険労務士

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月24日更新

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営業秘密に対するリスクマネジメント (2)

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Q&A番外編 リスクマネジメント
…(前コラムより) この開示がその従業員が前職を退職する際に前会社と締結した秘密保持契約に違反する行為であれば損害賠償責任を負い、またその「顧客情報」が「不正競争防止法」上保護される「営業秘密」に該当すれば、同法により当営業秘密を持ち出した(元)従業員本人が処罰される可能性があることはQ&Aでお話したとおりです。

ここでもうひとつ重要なのは、ここで持ち込んだ営業秘密を使用する舞台となった第三者にあたる 会社側も処罰の対象とされ損害賠償責任を問われる というリスクです。 持ち込んだ従業員本人だけではなく、会社も責任追及の対象となるということです。

これは会社側が(営業秘密であることを)「知っていれば」文句なしのクロですが、「知らなかった」と言ってもその「知らなかった」ことについて 重大な過失(何の対策もとらなかった) があればこれまたクロとみなされてしまうという非常に厳しい規制で、(前職)企業側の知的財産が強力に保護されています。 では、会社側はどう対処すべきか?

まず中途採用する従業員の入社の際に、上のような秘密保持義務を負っているかどうかの確認を行うことです。ただ、この確認行為自体が前職での営業秘密を開示させてしまうおそれもあり慎重な対応が要求されます。 つまり、前職の営業秘密開示の規制に抵触しない、過って開示させないような方法で確認作業を確実に行うことです。 この確認行為が訴訟などの紛争に発展した場合の「重大な過失がない」ことの立証になり、会社側の責任回避(軽減)のためのプロセスとして考慮される要素となります。

 ホントそこまでやらないといけないの?

という声が聞こえてきそうですが、IT化、就業形態の多様化、雇用の流動化等社会経済情勢もあいまって企業が負うべきリスクとなっていることは確かです。